ICタグでなにが変わる? (2011.12.02.)
先月後半から、図書館の資料に「ICタグ」を貼付する作業を始めました。
作業に伴い、利用エリアの閉鎖や貸出・閲覧の制限をおこなっているため、
利用者の皆様にはご迷惑をおかけしています。
ICタグでの管理が実際に始まるのは来年4月、板橋キャンパスでの新図書館に
なってからです。どのような変化があるのでしょうか。
●貸出・返却が簡単/早くなります
複数冊の本を一度に処理できるようになるため、手続きにかかる時間が
短くなります。
Pals(自動貸出返却装置)でも、一度に複数の本の手続きをすることができます。
●不正持ち出しチェックが正確にできます
現在のゲートでのチェックは、金属系のものに反応するため誤作動が多く、
特に最近はご迷惑おかけしています。
ICタグでのチェックでは誤作動がほとんどないそうです。
また、万一不正持ち出しがあっても、いつ・どの資料が持ち出されたのか、
という特定が容易にできます。
●蔵書点検が簡単にできます
これは図書館にとってはかなりうれしいことですが・・・
ICタグはバーコードのように1冊1冊抜き出して読み取る手間が必要ないため、
蔵書点検にかかる期間を大幅に短縮できます。
これまで、3日間程度の閉館期間が必要でしたが、今後は開館しながらおこなう
ことができるかもしれません。
大きく異なる点のみをご紹介しましたが、ICタグを使っての図書館サービスには
このほかにも様々なものが考えられています。今後は、これまでにはなかった
新しいサービスが提供できるかもしれません。
ICタグ貼付作業の終了まではもうしばらくかかるため、その間ご迷惑を
おかけしますが、いましばらく皆様のご理解・ご協力をいただけたらと思います。
よろしくお願い申し上げます。
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イルミネーションの街 (2011.11.18.)
朝晩めっきり冬の寒さとなりましたね。
外へ出ると『寒いっ!』と思わず口にしてしまいますが、あえて夜に外へ出掛け、
冬を彩る“イルミネーション”会場へ足を運んではいかがでしょうか。
相模湖は“イルミネーションの街”とのことです。
相模湖駅を利用している方は、改札出口の変化にお気付きかと思いますが、
改札口を通り抜けると『ようこそイルミネーションの街さがみこへ』と
小学校低学年生くらいの大きさの“スイカペンギンたち(2羽)”がお出迎えしてくれます。
※ちなみに夜になるとペンギン自ら光を放ちます。
昨年、さがみ湖プレジャーフォレストで開催されているイルミリオンに行きましたが、
光に見入り、束の間“寒さ”を忘れることができました。
高台では薬学部の校舎を見ることができましたよ。
今年は昨年より更にパワーアップして電球200万個→300万個へと増えているようです。
昨年行った方も、新鮮に楽しむことができるのではないでしょうか。
もうひとつ薬学部から比較的近い場所では、宮ケ瀬ダムのイルミネーションが有名です。
数年前に1度行きましたが、豚汁や甘酒など夜店が多くあり、こちらも賑やかな会場でした。
来週11/26(土)16:45より、点灯式や打ち上げ花火が催されるそうです。
相模湖キャンパス最終年。相模湖の冬を満喫してみてはいかがでしょうか。
防寒対策は万全で出掛けましょう☆彡
*上記開催情報*
新入生歓迎会以来という方も多いのでは?
さがみ湖イルミリオン'11-'12
会場:さがみ湖リゾートプレジャーフォレスト(旧さがみ湖ピクニックランド)
期間:2011/11/12(土)-2012/4/8(日) ※2012/1/9(月・祝)までは毎日開催
以降は土・日曜と特定日(バレンタイン、ホワイトデー、春休み3/20〜4/1)
時間:17時〜21時30分(最終入場は21時まで)
料金:入場料 大人500円、小人・シニア300円 ※昼間から入園している方はそのまま入場可
ジャンボクリスマスツリー発祥の地のようです!
第26回宮ケ瀬クリスマスみんなのつどい〜宮ケ瀬光のメルヘン〜
会場:宮ケ瀬湖畔園地、水の郷周辺
期間:2011/11/26(土)-12/25(日)
時間:17時〜22時(12/22(木)-12/25(日)は〜23時)
料金:無料
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「はやぶさ」に想うこと (2011.11.02.) by O2先生
ここだけの話だが、先日、家内には内緒で、若い女性と映画を観に行った。「はやぶさ/HAYABUSA」、
この秋から来春にかけて何本か競作となる小惑星探査機「はやぶさ」関連映画の一番手であり、既に
ご覧の方も多いのではないだろうか。昨年10月、「はやぶさ」は艱難辛苦の旅路の末に地球に帰還し、
みごとその使命を果たしてまばゆい光芒を放ちながらオーストラリアの夜空に消え去った。その最期
の輝きは、不毛な政治状況と閉塞した経済に疲弊した日本国民にとって、近年稀にみる明るい希望で
あったように思う。それを思えば、商機を見るに敏な映画会社が何社もこの話題に手を出すのも無理
からぬことであろう。本作、作中の人物像が些かステレオタイプのきらいを免れず、理学博士の学位
はそんなに簡単にとれるものではないとか、筋金入りの理系研究者の奇人変人ぶりはそんなに生易し
いものではないとか声を大にして抗議したい点はいろいろとあるが、「はやぶさ」の快挙自体はやはり
非常に感動的である。随所に散りばめられたギャグのような演出に異を唱える向きもあろうが、筆者
は精神の年齢が若いせいか、小学4年生の同伴女性と同じ目の高さで結構楽しませて頂いた。(余談だ
が、映画の中で竹内結子さんが演ずる水沢恵は、JAXAの複数の広報担当者を“混成”して創りあげた
キャラクターであり、モデルとなった人達の中には筆者の三十年来の友人JT君も含まれている。)
ひとたび好奇心に火をつけられると半端なところで停まることができないのは商売柄か、性分か。
映画をきっかけに関連の書籍を読み漁り始めるとこれがなかなか面白い。日本が先行して準備を進め
てきた計画として彗星の核へのサンプルリターンや小惑星とのランデブーがあったが、豊富な予算と
人員をもつNASAがあとから同様のプロジェクトを立ち上げるや、いずれも先を越されてしまったとの
こと。「はやぶさ」のサンプルリターン計画でプロジェクトマネージャーの大任を果たされた川口先生
によれば、この時、日本がこの分野でアメリカに伍してオリジナリティーの高い研究を実現するため
には、リスクが高くNASAでもためらうような難事に挑むしかないと痛感されたそうだ(私学で研究を
進める身には考えさせられることの多いお話である)。その決断の結果か否か、「はやぶさ」の計画は
どれをとってもウルトラC級の難しい課題(@ 探査機の打ち上げに使用するロケットの開発、A 燃
費の良いイオンエンジンの開発、B 通信に時間のかかる遠くの天体で探査機自らが判断して行動する
ための自律的な機能の搭載、C 実態不明の小惑星表面での試料の採取、D 帰還時の大気圏への再突
入にも耐え得るカプセルの素材や技術の開発、等々)が幾つも直列に繋がった途方もないミッション
となった。「はやぶさ」が相次ぐアクシデントに見舞われながらも小惑星イトカワの試料を地球に届け
ることに成功したのは奇跡といっても過言ではあるまい。
けれども、この奇跡を、(たとえ確率の上では同程度だと仮定しても)例えば「年末ジャンボ宝くじ
とサマージャンボ宝くじの一等・前後賞に、三年間連続して当選した」というような偶然に基づく幸
運と同列に扱うのは極めて不当なことである。かのパスツールの名言“In the fields of observation,
chance favors only the prepared mind.”はここにも該当する。1980年頃の「さきがけ」「すいせい」
の構想以降の数々の“成果”の蓄積が十二分に活かされ、さらに時代をさかのぼるなら糸川英夫先生
によるペンシルロケットの開発の頃から脈々と研究者魂が受け継がれてきたからこそ、「はやぶさ」は
崖っぷちから転落することなく困難なミッションを成し遂げることができたと考えるべきであろう。
くだんの映画の中では糸川英夫先生が実験上の失敗を敢えて“失敗”とは言わずに“成果”と呼んだ
というエピソードが紹介されている。実は、筆者にとってこの映画の中で最も強く印象に残ったのは
この部分であった。ある局面における“失敗”も、その経験を活かして将来に役立てることができれ
ば、立派な“成果”となる。これは研究者に限らず、誰もが肝に銘じておくべき普遍的なメッセージ
ではないだろうか。
参考文献:
一般向けの著述:
1)川口淳一郎著、カラー版 小惑星探査機はやぶさ(中公新書、中央公論新社)
2)小野瀬直美著、寺薗淳也監修、はやぶさ君の冒険日誌(毎日新聞社)
もう少し詳しい理系向きの著述:
3)川口淳一郎監修、小惑星探査機「はやぶさ」の超技術(ブルーバックス、講談社)
(図書館注)
上記の資料は残念ながら図書館にはありませんが、関連資料として以下のものがあります。
Newton 別冊(2010年8月)
「探査機はやぶさ 7年の全軌跡 世界初の快挙を成し遂げた研究者たちのドラマ」
Newton 別冊(2011年4月)
「はやぶさが開く宇宙新時代 宇宙探査の最前線に立つ15人のリーダー」
追記:
本稿執筆中に帯刀章子先生の突然の悲報に接しました。この春、本学を退任され悠々自適のご生活を
謳歌されているものとばかり思っておりましたので愕然とするとともに、余りにも早いご逝去が残念
でなりません。筆者が本学に着任以来4年足らずの短いお付き合いでしたが、知的好奇心のかたまり
のような先生とは不思議と馬が合うようで折に触れていろいろと愉しいお話を聴かせて頂きました。
慎んでご冥福をお祈り致します。
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引越し (2011.10.16.)
薬学部の板橋キャンパスへの移転までに半年を切りましたね。
移転に伴い、板橋へ引越しを考えている方もいらっしゃるかと思います。
実際に物件を探したりするのはもうちょっと先の時期になると思いますが
役に立ちそうなWEBページやサイト集をいくつかご紹介しますね。
賃貸物件の探し方
nanapi 効率的な家の探し方(賃貸)
http://nanapi.jp/286/
生活総合情報サイトのAll About(オールアバウト)部屋・不動産会社探しノウハウ
http://allabout.co.jp/gm/gl/8958/
家賃相場は大手の不動産業者のWEBページで調べられるようです。
HOME'S 家賃相場
http://yachin.homes.co.jp/
CHINTAI 家賃相場から探す
http://www.chintai.net/rent/
引越しに関して
東京電力引越コンシェルジュ
http://www.tepore.com/hikkoshi/jyunbi/manual/internal/
引越し手続き&引越し準備手順ガイド
http://www.e-hikkoshi.biz/
あとは、これを機会に一人暮らしを始めようと思っている方へ。
生活総合情報サイトのAll About(オールアバウト)一人暮らしの始め方
http://allabout.co.jp/gm/gl/3697/
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「学問の階層性」 (2011.07.20.) by T先生
ある会議で、「6年制になったこれからは、先生方も自分の専門だけでなく、
他分野についても勉強すべきである。」という意見が出た。まっとうな正しい意見である。
しかし、ここで忘れてはいけないことがある。学問には階層性があり、これを踏まえた
うえで現実的な対応をすることが重要である。
学問の階層性とは、薬学にいる多くの教員がなんとなく肌で感じていることである。
薬学部では、基礎と呼ばれる分野が根底にあり、それらの上に薬理や薬剤など多くの
分野が積み重なって、全てを融合させた上層部に実務の分野がある。学生たちは、
こういった幾重にも積み重なった階層を一つ一つ学び、相関づけていかねばならない。
同じ理系でも、理工系の学部では、学年が上に進むにつれ、より専門性が高く、分野を
絞った勉強が多くなるのと比べ、薬学部では、学年があがるほど全てを統合して学ぶ力が
求められる。6年制になり、国家試験に複合問題というカテゴリーができたことで、
分野の相関性が一層重要視されるようになり、その結果「教員は、自分の専門外の分野に
ついても勉強しておかないと複合問題に対応できない」と声高に唱えられるようになった。
しかし、専門外の分野について学ぶことは簡単なことではない。教員が他の分野を学ぶと
いうことは、学生が多くの分野を学ぶこととは到達レベルが全く異なる。特に、複合問題をつくる、
という問題作成を前提とした場合、責任のもてる良質な問題をつくれるほどの専門性が
身につくまで、専門外の分野を学ぶことが必要になる。一朝一夕にかなうものではないことは
自明である。また、上下の階層性も問題となる。たとえば、実務の分野は一部が薬理学に
基づくとして、その薬理学を理解するには、生物学が必要になり、生物学でとりあげる事象は
有機化学がわかっていなくてはならない。さて、有機化学を本当に理解しようと思ったら、
実は、物理化学の電子論に行きつく。電子論は最後には数学の数式になってしまう。
このように、薬学のそれぞれの分野の階層性は上から下まで突き詰めれば突き詰めるほど
奥が深い。複合問題を作成するにはどこまで理解していなくてはいけないのだろう?
一つの対応策として、木を描く時を思い起こしてみてはどうだろう。木を描く時、多くの人は
木の幹から枝、そして葉を加えていくものと思う。葉を先に詳細に書いてから枝、幹を描く人は
めったにいない。やはり、基本となる部分を先にしっかりおさえておくことが大事ではないだろうか。
学問の階層性において、下にある分野から順番に、下から上にあがっていく方向で少しずつ
学んでいくしかない。逆に上から下は無理だろうと思う。また、決して無茶をしてはいけない。
枝がないところで急に葉は生えない。数年かけるつもりになってゆっくりと学んでいく覚悟を
しなくてはいけない。
6年制になった現在、私たち教員にできることは、まずは自分の専門性をしっかりと固める。
そして、自分の専門より上の階層の、比較的近い分野について多大なる敬意を払いつつ、
少しずつ学び始める。それには数年かかかることを覚悟してあたるべきである。6年制は
本当に大変なことばかりで、いったいなんでこんなことが?と思うことしきりであるが、すべては
目の前の学生のため。彼らのために私たちは現実的な対応をしていくことが重要である。
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闘病記文庫 (2011.07.07.)
闘病記文庫のことをご存じでしょうか。おおざっぱにいえば、図書館などで闘病記を
集めたコーナーのこと、というように考えればよいかと思います。
近年闘病記文庫を設置する図書館が増え、患者さんだけでなく医療関係の学生さんにも
喜ばれているようです。本学ではまだ試みをしていませんが、探してみると闘病記といって
いい本はそれなりにあります。
1年生の皆さんは、大学生活リーフレットで、紹介されていた本を覚えているでしょうか?
「美しいままで:オランダで安楽死を選んだ日本女性の『心の日記』」
「1リットルの涙:難病と闘い続ける少女亜也の日記」
他にも、有名なところで、千葉敦子さんの「ニューヨークでがんと生きる」もそうですね。
「がんと闘った科学者の記録」という本もあります。
薬学部の学生である皆さんには、医療従事者の一人として、ぜひとも闘病記を読んで
頂きたいと思います。闘病記は患者さんの気持ちを理解する手助けとなると思うからです。
ところで、図書館の2階にひっそりと置いてある「薬学図書館」という雑誌をご存じでしょうか。
その名の通り、主な読者を薬学系の図書館員として、薬学図書員によって編集・発行されて
いる雑誌です。だからといって、内容が図書館に偏っている訳ではありません。
もうじき刊行される56巻3号では、去る2月に行われた闘病記研究会シンポジウムの講演者の
方々が、その内容を誌上シンポジウムとして再現してくださいました。その中のおひとりである
関原健夫さんの著書「がん六回人生全快」という本が、現在新着図書コーナーに展示されて
います。ぜひお手にとって頂きたいのですが、ちょっと長いなと思われる方もいらっしゃるかも
しれません。
まずは、「薬学図書館」での闘病記研究会の特集を読んでください! 私も仕事で原稿を
拝読したのですが、本当にひきこまれ、仕事であることを忘れて熱心に読んでしまいました。
講演を原稿にしたものですから、講演を聞いているようでとても読みやすい語り口です。
あまり長いものではありません。ぜひご一読ください。もちろんシンポジウムをはじめとする
他の記事も!
闘病記については、いずれテーマ展示として集めてみたいと思います。乞うご期待!!
「美しいままで:オランダで安楽死を選んだ日本女性の『心の日記』」
ネーダーコールン靖子 祥伝社 (3階一般 請求記号:916/NE)
「1リットルの涙:難病と闘い続ける少女亜也の日記」 木藤亜也 幻冬舎
(3階文庫 請求記号:916/KI)
「がんと闘った科学者の記録」 戸塚洋二 文芸春秋 (3階一般 請求記号:916/TO)
「がん六回人生全快」 関原健夫 講談社 (3階文庫 請求記号:916/SE)
「薬学図書館」 2階雑誌 日本薬学図書館協議会
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ホタル (2011.06.23.) by A先生
山あいの清流にいるホタルに子供の頃に出会うチャンスはなかった。その光り方が
どのようなものであるのかはもちろん知らなかったが、その大きささえもわからなかった。
ただ、想像するしかなかった。私の好きな作家である宮本輝氏の作品に「蛍川」がある。
その最後に、ホタルが乱舞するさまが描かれる。この小説を読んだときに、ああ、ホタルを
見てみたいなと思った。それは、高校生の頃だったと思う。
そんな思いがかない、始めてホタルを見たのは、なんとアメリカであった。近くに小川は
流れていたが、川べりではなかったので、最初はわからなかった。しかし、光るものが
目の前をすーっと上って行った。それほど数は多くなかった。アメリカ人は、「ああ、Fire flyね」
といった感じで、ほとんど関心を示さなかった。はかない感じは、彼らにはわからないのであろうか。
思ったよりも大きかった。
そして、日本で思わぬところで、ホタルを見た。それは、今はインターチェンジの工事で
味気がない風景となってしまった裏高尾を車で走っていた時であった。車の前を光るものが
横切った。あーここにいるんだと思った。さらに、驚くことにこの薬学部のすぐ近くにもホタルはいた。
内郷診療所や郵便局の裏手に阿津川が流れている。そこにいた。今年も含め、ここ何年かは
見に行っている。良く飛ぶ期間は、とても短く2週間程度である。今週末(28日)は、川を守り、
ホタルを守っている地元の方々によるホタル祭りも開かれるようだ。去年は、ホタル祭りが
早すぎたが、今年は、ばっちりいい時期だ。
今年で見納めとはさびしい気持ちになる。板橋では期待できない。実験で、ホタルの発光は
身近なものとなり、その仕組みが用いられているが、実際に飛び、ひかる様は味わい深い。
乱舞まではいかないが、それなりに楽しめる。
(図書館注)
宮本輝『螢川』」は、1978年に第78回芥川賞を受賞した作品です。
図書館所蔵の以下の本に収録されています。
「芥川賞全集 (第11巻)」 文藝春秋 (3階一般 請求記号:918/AK/11)
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音楽家と病気(11)
音楽は耳で聞く −ベートーヴェンの場合− (2011.06.01.) by K先生
先日、札幌市で開催された糖尿病学会の特別講演で、脚本家の倉本聰さんの講演を聞いた。
演題は「あたりまえの暮しを求めて」。東日本大震災と原発事故を称して「第3の敗戦」と
位置づけ、復興に際して国民に価値観の変革を求めた大変魅力的な講演であった。
その中で「ヒトとは、感動を他人と共有できる唯一の生き物」ではないかと話されていた。
他の動物でも自ら感動することはあっても、それを他と共有することはできないのではないかと。
この感動の共有から芸術が育ったのではないか。映画、演劇、コンサート、美術・・・私たちは
無意識のうちに、得た感動を第三者と共有しているのだと思う。共有にはコミュニケーションが欠かせない。
無言の感動すら何かを発信している瞬間だと思う。
今年4月の1年生のコミュニケーション演習での一幕。シナリオを読んでSGDを行った後、
一人の学生さんが「文章を読んで、みんなが自分と同じように感じているとばかり思っていたが、
実はそうではなかったことに気がついた」と述べていた。
そう、だからコミュニケーションが必要なんだよね。
ベートーヴェンが難聴であったことは有名で、聴覚障害は音楽に関わる上で致命的であると
言われている。視覚障害を持つ音楽家が活躍していることはよく耳にするが、聴覚障害を持つ
ミュージシャンはごく僅かだと思う。ベートーヴェンが難聴になった理由には、外的障害説、梅毒説、
鉛中毒説などあるが、今回はそこには言及しない。(2008年5月7日こみみ参照)。
「ハイリゲンシュタットの遺書」で有名なハイリゲンシュタットにベートーヴェンがやってきたのは、
遺書を書くためではなく、難聴を治療するために温泉の湧いているハイリゲンシュタットで
温泉療法を行うためだという(残念ながら効果はなかったらしい)。
ベートーヴェンは、特製のピアノや独特の補聴器をつかって数多くの偉大な作品を生み出した。
骨伝導を利用して音を感じていたという説もある。
今回、私が感じたのは、作曲者と聴衆との感動の共有がどのようにされていたのか、という点である。
「合唱付き」という副題で年末に全国各地で演奏される交響曲第9番ニ長調の初演では、
ベートーヴェンは聴力を失っていたため、別の指揮者を立て、ベートーヴェンは各楽章のテンポを
指示する役目で指揮台に上がった。演奏終了後、拍手が聞こえなかったため、聴衆の喝采に
気がつかなかったベートーヴェンは、初演は失敗だったと思い、演奏後も聴衆の方を向くことが
できなかったという。聴衆の喝采に気がつかなかいベートーヴェンを見かねた歌手の1人がベートーヴェンの
手を取って聴衆の方を向かせ、ベートーヴェンは初めて喝采の拍手を見ることができた、という逸話がある。
聴衆は熱狂し、何度もアンコールが演奏されたらしい。この初演でベートーヴェンは何を聞いていたのであろうか。
聴衆は互いに感動を共有していたが、作曲者はただ一人、その感動を耳では感じることができなかった。
演奏会では当然、皆が同じ音楽を聴いており、その感動を共有しているつもりであるが、実は一人ひとり
異なった音(音楽)を感じているのかもしれない。だからこそ、その後お互いに語り合い、感じたことを
共有しようと求めるのかもしれない。
当たり前のこととは、違いに気がついた時、それを失った時に初めて気がつくことなのだろう。
P.S. 聴覚障害には大きく「伝音性難聴」と「感音性難聴」があり、「伝音性難聴」は三半規管までの
外耳、中耳(音を伝達する部分)の障害で、「感音性難聴」とは、三半規管から先の障害である。
ベートーヴェンは耳硬化症という伝音性難聴と推測されており、人の声は聞きにくいが、
ピアノの音は振動で聞こえたといわれている。
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図書館利用のポイント再確認! (2011.05.21.)
新年度が始まって2カ月近くが過ぎました。
1年生の皆さんも徐々に新生活に慣れてきた頃ではないでしょうか。
震災の影響もあり、今年は例年4月におこなっていた「図書館ツアー」を
中止しました。代わりに、ガイダンスでは例年よりも詳しい説明をさせて
もらいましたが、その後の利用状況をみていて、確認が必要と思われる
ポイントをまとめてみました。
1年生以外のみなさんも、確認の意味でお読みください。
●自動ドアが開かない!
学生証を通してもエラーになってしまうことがあります。
ほとんどが通しかたの問題なので、エラーになったら再度通してみてください。
学生証は【表が右/磁気の部分が奥】になるように通します。
上から下まで、一定の速度で確実に通してください。
(エラーになるのは、[早すぎ][遅すぎ][カードが途中で斜めになる]の
パターンが多いです)
●出口でピーピー鳴った?!
貸出手続きをしていない本を持ち出すと、出口でアラームが鳴って
出口がロックされます。
誤作動で鳴ってしまうこともありますので、アラームが鳴ったら
引き返して職員の指示に従ってください。
●持ってるだけだから良いよね?
図書館は、【飲食禁止】ではなく飲食物【持ち込み】禁止です。
ペットボトルをぶら下げて歩いている人、机の上にお菓子を出している人
などを見かけますが、ルールを守ってご利用ください。
●館内利用後の資料は・・・
館内で使い終わった資料は自分で棚にもどさず、「返却台」に置いてください。
棚に戻すのは職員がおこないます。
時々、返却台に戻さずにまったく別の棚に置いていってしまう人がいますので
やめてくださいね。(その資料を見つけることができなくなってしまいます)
●Palsも使ってください
Pals(自動貸出返却装置)は、カウンター横にある白い大きな箱のような装置です。
例年、図書館ツアーの中で、実際の利用法を見てもらっていましたが、
今年はこれができなかったため利用率が低いようです。
画面の指示にしたがって操作するだけで貸出/返却/期間延長の手続きが
できますので、ぜひご利用ください。
●閉館時間にご注意
現在、平日は5時、土曜日は2時で閉館しています。
10分前に閉館放送が流れるので、放送が入ったらすみやかに退出してください。
時間になると電気錠が自動的にかかってしまうので、少しの遅れでも
出ることができなくなってしまいます。
荷物を置いていってしまい、閉館後に取りにくる方もいますが、
時間厳守でお願いします。
実際に利用してみると、わからないことがいろいろ出てくると思います。
どうぞお気軽にカウンターに声をかけてくださいね。
<<お願い>>
現在図書館では、防災上の観点と節電対策のため、以下の取り組みを
おこなっております。
・ 開館時間の短縮
・ 館内照明の一部消灯
・ エアコン使用を控える
利用者のみなさんにもご迷惑をおかけしますが、どうぞご協力いただきたく
お願いします。
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東日本大震災 (2011.04.21.)
この度の大震災で、亡くなられた方々に慎んでお悔やみを申し上げますとともに
被災された地域の方々に心よりお見舞いを申し上げます
2011年3月11日は忘れられない日となってしまいました。
当日のその時間、図書館では珍しく館内にいる利用者が”0”という状況でした。
私自身はカウンターに座っていましたが、いつもくらいの横揺れ(震度2程度?)から始まり、
次第にいつもとは違う大きな横揺れへと変化し、恐怖で怯えながらも中庭に避難したことを
覚えています。※薬学部がある相模原市緑区では震度5弱でした。
学内には春休み中ということもあり、教職員・学生合わせて200人程度がいたということです。
幸い大きな怪我もなく、早期に全員の無事を確認することができました。
図書館の被害状況は、単行本・製本雑誌の7割程度が落下し、壁にひびが入るなど、
しばらく休館せざるを得ない状況となりました。(写真: 1 ・ 2 ・ 3 ・ 4)
復旧作業に2週間余りかかりましたが、その間、作業にご協力いただいた先生方や学生の
皆さまには、改めて御礼申し上げます。
1ヵ月が経った今もなお、震度6クラスの余震があり不安な日々が続いています。
4月の大きな余震でも、本が数冊落下しました。
地震が起きた場合は書架に近づかないようにし、各自、避難経路を確認して行動しましょう。
外へ出てからの避難経路図はキャンパスガイド(平成23年度版)の163頁に掲載されています。
- 紹介本 -
『阪神・淡路大震災の記録 : 神戸薬科大学』 第三期年史編集委員会
3F一般図書 453.2/HA
『災害医療における薬剤師の役割 : 阪神・淡路大震災の記録』 日本薬剤師会編
3F一般図書 498.89/SA
『12歳からの被災者学 : 阪神・淡路大震災に学ぶ78の知恵』 メモリアル・コンファレンス・イン神戸編著
3F一般図書 369.3/ME
『わたしと小鳥とすずと』 金子みすゞ著
3F一般図書 911.58/KA ※CMでおなじみ「こだまでしょうか」が収録されています。
- 最後にひとこと -
学生の皆さん、OPAC(蔵書検索機能)のパスワードは変更しましたか??
プライバシー保護のため"必ず"変更しましょう!
まだ変更していない方は今すぐにでも!!
OPAC ⇒ http://opac.main.teikyo-u.ac.jp/webopac/
不明な点は、気軽にカウンターに聞いてくださいね!
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“?を!に変える悦び”或いは“学びて思ふ”ことについて (2011.03.09.) by O2先生
前号の「こみみ」に花粉情報が掲載されていたが、筆者の周囲にもスギ花粉
の被害者が多い。筆者自身は今のところスギ花粉へのアレルギーは出ていない
が、もう少し遅い時期にヒノキの花粉に悩まされるので、とても他人事とは思
えない。孫子の兵法に「彼を知り己を知らば百戦して危うからず」とあるよう
に、まず敵の正体を知ることが肝心である。早速、憎きスギ花粉の素顔を探っ
てみたところ、小型の電子顕微鏡を製作しているテクネックス工房という会社
のホームページの「文ちゃんのタイニーカフェテラス」という名のサイト
http://www.technex.co.jp/tinycafe/tinycafe.html
で、スギ花粉の正体(その1)?(その5)という興味深い記事を発見した。
このサイトには「小さな発見」と題して、日頃不思議に思っているようなこと
がらを電子顕微鏡写真によって科学的に解き明かす趣向の記事が載っていて、
ついつい拾い読みしてしまいたくなる。スギの花粉も電子顕微鏡で拡大してみ
ると敵ながらなかなか味のある面構えの持ち主と、妙なことに感心させられた。
さて、生物学者としてはアマチュアながら自作の顕微鏡で動植物を観察した
草分けとも言える人物が、オランダのデルフトで活躍したレーウェンフック
(Antonie van Leeuwenhoek,1632-1723)である。高校の生物の教科書にも登場
する有名人なのでご存知の方も多いと思う。この人をモデルにしたと言われて
いる絵画が3月3日から5月22日まで、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアム
で展示されている。オランダの画家フェルメール(Johannes Vermeer,1632-1675)
の「地理学者」である(但し、モデル説には異論もあるので断定はできない)。
この巨匠は、静謐で緻密な作風と、現存する作品が三十数点と寡作であること
で有名であり、昨今は日本でも一大ブームを巻き起こしている。作品の方から
どんどん来日してくれるので、貸し出しを行わないニューヨークのフリック・
コレクションの3点と盗難により行方不明の1点を除けば、巡礼の旅に出なく
ても日本で出逢える機会がありそうだ。筆者は、11年前に大阪の展覧会場で
この地理学者にお目にかかったことがある。この画家の作品の中では十指に入
るレベルには達していないものの、織物や地球儀の質感には瞠目させられるの
で、一見の価値は十分にある。
フェルメールは幾つかの作品の製作に際してカメラ・オブスクラと呼ばれる
一種のピンホールカメラを利用していたと考えられ、当時としては新しい科学
の成果を取り入れていたことが知られている。この頃のオランダは覇権国家と
して隆盛を極めており、レーウェンフックやフェルメールのように専門外の
人々でさえ科学に対して強い関心を抱き、その精華を存分に使いこなしていた
ことが伺われる。翻って現代の日本では、若者の理系離れが進み、コラーゲン
たっぷりの食品が美容に良いとされ、マイナスイオンが出るというエアコンや
空気清浄機がよく売れている。このことから判るように、我が国では一般人は
もとよりマスコミ関係者の科学的素養もお世辞にも高いとは言い難い。社会全
体が極度の理科音痴になりつつある。まことに嘆かわしい限り。知的な好奇心
を失った人間の未来に進歩があろう筈が無い。前述のホームページに見られる
ように、日常生活においても不思議のタネは幾らでも転がっている。自然科学
の領域においては、解明されていない謎はそれこそ無尽蔵にある。もっと貪欲
に「何故?」「どうして?」という疑問を持つべきではないだろうか。
ここ数年、年を追う毎に薬学部の学生諸君の元気が無くなってきているのを
痛感する。真面目に講義に出席して熱心に板書を写し、売り物になりそうなく
らい綺麗なノートをとりながら、肝心の内容はと言えば右の耳から左の耳へと
素通りしているらしく、雑談以外はさっぱり理解して下さらないツワモノも少
なくない。理科の「理」の字は「ことわり」と読む。ものの道理が判らないのに
「質の高い薬剤師」が勤まる程、この世の中は甘くない。少子化と「ゆとり
教育」の恩恵(?)を受けて諸事万端、上げ膳据え膳に狎れきって批判的精神
をかけらも持ち会わせていない者も目につく。そうした輩は試験の直前とも
なると、自分で書き写した内容か、はたまた友人のノートのコピーかは知らないが、
理解もせずに唯ひたすら丸暗記に徹する。この有様ではオウムやインコと
どこが違うと言えるのだろうか?(もしかすると鳥の記憶の方が長持ちするの
かも!)ものごとを自分のアタマで考えて、納得できるまで喰い下がるだけの
胆力がある者は今や非常に稀である。もっともっと多くの学生に知的な好奇心
を枯渇させず、“?を!に変える悦び”(=分からないことを理解できるように
なる愉しさ)を味わって頂きたい。昔々、中国の魯の国に孔子というオッサン
が居て、「学びて思はざれば則ち罔(くら)く、思ひて学ばざれば則ち殆(あや
ふ)し」とのたまったそうな。この後に「学ばず思はざれば救ひ難し」と続か
ないところに孔子の弟子は流石だなと脱帽させられる。本学部の学生諸君には
是非とも「学びて思ふ」人に育って頂きたいと切望する次第である。
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花粉情報 (2011.02.21.)
そろそろ本格的に花粉の季節が始まりそうですね。
東京都福祉保健局の花粉情報では、都内で花粉の飛散を観測したとか。
今年はかなり花粉が飛ぶようだと報道でいわれています。
「花粉症一口メモ」平成23年版(東京都福祉局発行)によると
花粉が多く飛ぶのが、
**************************************************************
@ 最高気温が高めの日
A 雨上がりの翌日で天気がよい日
B 風が強く晴天で乾燥した日
特に、春一番のような気温が高く暖かな南風の吹く日は花粉が多く飛散
**************************************************************
とのことです。
最近では花粉情報、予測などがいろいろ提供されているので、
花粉症の方は参考にされてはいかがでしょうか。
環境省花粉観測システム(愛称:はなこさん)(環境省)
http://kafun.taiki.go.jp/
各地の花粉情報(ウェザーニュース)
http://weathernews.jp/pollen/
全国花粉情報花粉いんふぉ (花粉情報協会)
http://pollen-net.com/
花粉なう(MSD株式会社)
http://www.kafun-now.com/
東京都の花粉情報 (東京都福祉情報局)
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kanho/kafun/
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「実験しようよ。」 (2011.02.02.) by T先生
薬学部が6年制になって5年がたとうとしています。4年制の最後の代の学生が、
この春、修士の学位をいただいて卒業します。日本じゅうの6年制薬学部の先生方と
お話をしていると、「これから院生がいなくなるね。そうすると働き手がいなくなるから、
研究が進まないよ。」という悩みの声を聞きます。確かに院生がいなくなるとものすごく
ツライです。本当にどうしたらいいのだろう?とため息がでるばかりです。
いろいろ、解決策を考えました。結論として「自分が実験すればいいんじゃない?」
となりました。もともと帝京の大学院に残る学生なんてごく僅かでした。私がこの大学に
来た頃は、助手の先生たちがものすごく実験をしていて、私もずっと実験三昧の毎日でした。
学生のパワーがあてにならない大学では若い助手が代わりに頑張っていたわけです。
そんなわけで、あの頃の気持ちを思い出して、数年前からかなり本気で、土日も働くのが
当たり前と思って実験しています。実験はやっぱり楽しいし、なによりデータが出て
論文を書けることが嬉しいです。院生がいないから何もできなくなるんじゃないか?と
心配していた気持ちも、今では、「なんとかなるんじゃないか?」と思えるようになりました。
もちろん、国立のすごい研究室とパワーで対等に戦うことはできませんから、頭を使って
彼らを負かすこと、戦略も大事です。ものすごく考えてテーマを動かすようになりました。
こういう姿を学生が見ていて「実験は楽しいな。研究っていいな。」と思ってくれたら、
それが一番の教育なんじゃないかと思います。教員が実験を心から楽しんでいたら、
その姿は学生から絶対にかっこよく見えるはずです。たとえ学生自身は数カ月しか
実験ができなかったとしても、そういう先生と一緒に頑張ってみたい!と思ってくれるでしょう。
教員は、どんなに忙しくてもつらくても、実験を続けて、研究を伸ばしていくべきです。
今年は移転の年です。研究は二の次だ、と思いがちです。でも、逆だと思います。
今年は研究頑張って、良い論文をたくさん書いて「こんな大変な年でもここまでやれる!」と
自信をつける年にしたいと思います。逆境の時こそ、勝機を見いだす、これも一つの戦略です。
どうか、今年が良い年になりますように。
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One For All, All For One (2011.01.20.) by A先生
帝京大学ラグビー部が今年もやってくれた。今年は、準決勝で慶応、決勝で早稲田
という伝統校を打ち破っての大学選手権の制覇である。皆さんご存知とは思うが、
昨年も明治と早稲田を破って、決勝は東海大学との対戦ではあったが、優勝した。
そう、2連覇である。昨年の初優勝ももちろんうれしい出来事であったが、ことさら難しいと
言われる連覇を果たし、本当にうれしく感じた。是非、大学では同志社大のみが
およそ20年前に達成した3連覇を来年に成し遂げてほしい。
ラグビーはルールが難しいと感じる人も多いだろうが、簡単に言うと陣取りゲームであり、
相手の陣地まで到達すればよい。ただボールを前に投げずに走って、捕まったら
(捕まりそうになったら)後ろにボールを投げて、また走って相手の陣地まで行くのである。
反則は、オフサイド(ボールを持っている選手より前にいる選手がプレーに参加する)や
ノックオン(ボールを前に落とす)ぐらい知っていれば、それなりにわかる。
このラグビーであるが、今から200年弱前にイギリスのラグビー校という学校で、
エリス少年がフットボールの試合中にボールを手で持って走ったのが始まりと
言われている。日本には、今から110年ほど前に、最近、慶応の監督になった田中さんの
先祖(ひいおじいさん)が紹介したのが始まりである。昨年は、サッカーのワールドカップで
盛り上がったが、ラグビーのワールドカップも1987年から4年ごとにすでに6回行われている。
日本は、なんと第1回から連続出場しているが、その成績は惨憺たるもので、まだ1回しか
勝ったことがない。今年の9月にはニュージーランドで第7回のワールドカップが行われ、
今回も日本は予選を勝ち抜いて出場するので、応援しましょう。
また、2019年の第9回大会は、日本での開催が決定している。楽しみである。
ラグビーの精神で忘れてはいけないものに、「ノーサイド」がある。言葉の通りに、どちらの
サイドもなく同じだということを意味する。この言葉は、ラグビーではゲームセットの代わりとして
用いる。試合が終われば、敵味方はないよという精神である。すがすがしく、男らしい。
このように、紳士のスポーツとも呼ばれるラグビーであるが、観戦したことがある人は
どのくらいいるのであろう。私は、もちろん帝京の試合を含め最近は年に数回しか
見に行く機会がないが、生の迫力をぜひ味わってほしい。幸いにも今回の優勝によって、
帝京大は日本選手権に出場する。初戦は2月6日の2時から秩父宮ラグビー場で、
相手は社会人(クラブチームのチャンピオン)と不足はない。赤のものを身につけて、
試験の疲れを癒しに(そんな場合ではない人も多いだろうが)出かけてみよう。
(図書館注)
図書館では、岩出雅之ラグビー部監督の著作を所蔵しています。
「信じて根を張れ!楕円のボールは信じるヤツの前に落ちてくる
: 大学ラグビー日本一・帝京スポーツメソッド」 (岩出雅之著. 小学館, 2010出版)
現在、新着図書コーナー横に展示中です。
また、ラグビーを題材にしたものとして、以下の本もあります。
「静かなるホイッスル」(柴谷晋著. 新潮社 , 2006.10 )
聴覚障害者ラグビー(デフラグビー)日本代表チームの歩みを追った
ノンフィクションです。こちらもご一読ください。
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今年は何を読みますか? (2011.01.05.)
あけましておめでとうございます。
読書どころではないお正月をお迎えの方もいらっしゃるでしょうが、図書館のHPです。
新年の抱負ならぬ、今年読む本について、少し考えてみませんか?
皆さんはどうやって読みたい本をさがしていますか? 新聞や雑誌の書評・広告かな。
それとも友達から?テレビやネットから? 巷には本の情報もあふれていますね。新刊は
もとより、絶版になってもお薦めとしてあげられる本もあります。
本屋さんの店頭や図書館の書架で、これは、という本にめぐり会えることもあるでしょう。
私も、あらゆるところから自分の読みたい本を探しています。もちろん、図書館に入れた
いなと思う本があるかどうかも、常に気にしています。
「これは読んでほしい!」「学生さんによさそう」など、学生さんを対象として選んでいるつもり
なので、選らんだ本を手にとってくれたり、借りていってもらえるととてもうれしいです。
でも、悲しいかな。年の離れている分、必ずしも満足のいくラインアップとは言えないと思う
のです。今年度から新しくなったOPACでは、八王子キャンパスなど他キャンパスの本も
検索できるので、図書館にある!と思ったら、他キャンパスの本でがっかり、という経験も
あるかと思います。
そこで。
宣伝を兼ねて、ご協力をお願いしたいと思います。
@リクエスト してみよう
読みたい本、みんなに読んでほしい本など、図書館に置いてほしい本があったら
リクエストしてください!
必ず購入します、とまでは言えませんが、なるべくご期待に添えるようにしていき
ますので、気軽にリクエストしてくださいね。
Aレビュー をつけてみよう
先月から新しく加わったレビュー機能を使って、本にコメントをつけてください。
コメントは他キャンパスの本にもつけることができます。読んでおもしろかった、
おススメしたい、など、他の方が読む時の参考にもなるでしょうし、図書館員が
本を選ぶ際の参考にもさせてもらいます。
※お名前は掲載されません。自分で決めたハンドルネームか、匿名扱い、(ハンドル
ネームをつけていない場合)になりますので、ご安心ください。
どちらもOPACを使えば簡単にできます。ただしログインが必要です。
ログイン方法がわからない場合は、館内の掲示をご覧頂くか、カウンターでお尋ね
ください。前回のこみみも参照してくださいね。
残念ながら、携帯のOPACでは利用できない機能なので、ご自宅や図書館のPCを
使ってください。
それでは、やり方をご説明します。簡単ですよ。
@リクエストのしかた
OPACの左側にある「利用者サービス」の中にある、「購入依頼(リクエスト)」をクリックして
ください。ログインしていない場合は、ここでログインします。
入力画面が開いたら、わかる範囲で本の情報を入力してください。
赤字は必須項目です。
※館内に用意してある、リクエスト用紙でもOKです。入口前のポストにいれてくださいね。
Aレビューのつけかた
コメントしたい本を選びます。
検索したり、新着案内から本を選んで、詳細画面を表示させます。
右上に「レビューを書く」というボタンが表示されますので、クリックします。
ログインしていない場合は、ここでログインします。
※OPACレビュー(書評)の投稿について を必ず読んでください。
皆さんのご意見で、薬学部図書館の本棚を充実させてください。
今年だけでなく、来年も再来年も読み継がれる本をお待ちしています。
それでは、今年もぜひ!図書館をご贔屓に!!
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ご存じですか?OPACでできること (2010.12.21)
5月にOPAC(図書館の検索システム)が新しくなりました。
検索の画面が変わっただけでなく、いろいろと新しい機能が追加されていますが、
知らずに過ごしている方も多いのではないでしょうか。
★今日が期限なのにまだ読み終わってない。
もう1週間かりられるといいんだけどなあ・・・
★いま借りてる本、いつまでに返せばいいんだっけ?
★この間借りたあの本、なんていう題名だったかな・・・思い出せない・・・
★読みたい本が借りられてた。
予約ができるって聞いたけど図書館に行かなくちゃいけないんでしょ?
こういう困ったこと、新しいOPACではぜ〜んぶ解決できるんです。
ご存じでしたか?
例えば、OPACの利用者サービスから【利用状況の確認】を見ると、いま借りている資料の
返却期限がわかります。 (期限がすぎていれば「延滞」と表示されます)
また、貸出期限を過ぎていなければ、この画面から延長手続きをすることもできます。
わざわざ図書館まで来なくても大丈夫なんです。
【貸出履歴】では、これまでに借りた資料の一覧を見られます。
自分の読書記録としても使えるかも?
読みたい本が他の人に借りられている場合は、OPAC検索結果の「予約」ボタンから
予約を入れることができます。 【利用者情報】の画面でメールアドレスを登録しておけば、
借りられるようになったらメールでお知らせがきます。
それに、今ではOPACを携帯電話から利用することもできるんですよ。
携帯電話用専用URLはこちらです。
http://opac.main.teikyo-u.ac.jp/mobileopac/
このように、いろいろ便利に使えるようになったOPACですが、注意することがあります。
これらの新機能を使うには、「利用者ID」+「パスワード」でのログインが必要なのです。
学部生・大学院生の方には、図書館掲示板および学年掲示板等でID・初期パスワードを
お知らせしています。(教職員の方にはメールと通知で個別にお知らせ済みです)
お問い合わせいただければすぐにお調べできますので、ID・パスワードがわからない場合は
図書館までお尋ねください。
ログインしないと使えない機能がほとんどなので、ID・パスワードがわからないまま
過ごすのはホント〜にもったいないですよ!ぜひ実際にログインしてみてくださいね!
※ 12/20からは、レビュー(書評)機能が追加されました。
学生・教職員の方ならどなたでも、レビューを書くことができます。
お気軽に感想をお寄せください。
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音楽家と病気(10)
プロフェッショナル −指揮者がパーキンソン病になったら?− (2010.04.08) by K先生
今年1月、日本になじみの深い指揮者であるオトマール・スイトナー(Otmar Suitner,
1922年5月16日−2010年1月8日)が亡くなりました。オーストリア出身ですが、その活動は
東ドイツが中心で、日本にも1971年にNHK交響楽団の招へいで初来日しました。1973年には
N響の名誉指揮者に就任し、以後毎年のように日本の音楽ファンに熱い演奏を披露し続けて
くれました。ところが、東西ドイツの統一が成された1990年以降、病気を理由にキャンセルが続き、
今はもう引退したのだろうと思われていた矢先の訃報でした。
病状や引退理由が分からないまま20年の歳月が流れましたが、その間、2002年には、
ベルリンでスイトナーの80歳を祝うパーティーが開かれ、その時には元気な姿を見せたそうです。
その後、2007年にはドキュメンタリー映画「父の音楽 指揮者スイトナーの人生」(原題:Nach der Musik)が
製作されました。私は名指揮者の自伝的なものかな、と思いながら見ましたが、衝撃的だったのは、
この映画の中で、スイトナーは長い指揮活動の間、なんと正妻と東ベルリンに暮らしながら、
西ベルリンに愛人を作り、この映画はその愛人との間に生まれた息子のイゴール・ハイツマン
(Igor Heitzmann)が監督として作成したものであったということです。この作品では、戦後
分断された今はなき小さな二つのベルリンで、正妻、愛人、息子に囲まれ、とても幸せそうに
余生を過ごしている芸術家「スイトナー」の様子が描きだされています。
息子がこのような映画を作成した最も大きな動機は、「仕事が忙しく、今までほとんど一緒に
暮らした記憶がない父親の音楽を生で聴きたい」という気持ちであり、失われた父子の時間を
ゆっくりと思い出し、お互いにもっともっと若い時に交わしたかっただろうと感じる対話で進みます。
最後には非公式ですが、息子の希望が叶い、長年一緒に演奏した古巣のベルリン国立歌劇場の
オーケストラを指揮する「父」が奏でるモーツアルトは感動的です。
映画の中で、「なぜ引退したのか」、という息子の問いに対し、スイトナーはパーキンソン病のために
指揮活動から身を引いたことを息子に伝えます。パーキンソン病(Parkinson's disease)とは、
脳内のドーパミン不足とアセチルコリンの相対的増加により、錐体外路系徴候を示す神経変性疾患の
一つです。パーキンソン病の症状は大別して運動症状と非運動症状があり、非運動症状には、
精神症状と自律神経症状が含まれます。
指揮者にとって致命的なのは運動症状のうちの安静時振戦(ふるえ)と思います。指や四肢に
みられることが多く、安静時に起こりやすく、精神的な緊張で増強し、動かそうとすると一瞬、動きが
止まることもあります。スイトナーは常に震えている指を画面に示し、「これでは指揮はできない」と
囁きます。その指でタバコを吸う動作が印象的でしたが(火はうまくつけられるのです)、私が見た限りでは
指揮活動に影響があるようには見えませんでした。楽器を弾くのであれば、相当な不自由を感じるかも
しれませんが、音を出さない指揮者でも、自分の芸術を表現できないと判断し、引退したのでしょう。
昨今、頼まれたりおだてたりすると、少々のことには目をつぶって安請け合いする傾向や、
ろくに知らないのに専門家気取りの風潮に対して、このスイトナーの姿勢は、真のプロなのかな、と
感じました。私生活の方も不思議とみんな幸せそうで、これもまた別のプロフェッショナル?なのかも
しれませんね。
過ぎ去った時間を取り戻すことは不可能ですが、若い時に一生懸命働いたスイトナーの晩年の
20年の空白。これはパーキンソン病に罹ってしまった指揮者が、プロフェショナルを守るために選んだ行動の
結果ですが、この時間は、この映画の製作者、すなわちスイトナーの息子にとって、大切なことを思い出し、
そして記録することができた時間だったと思います。失ったものを少しは取り戻せたのかもしれませんね。
時間はいつも、自分のために刻んでくれていると思いがちですが、同じ「時」を離れている身近な人は
どのように感じて、どのように過ごしているのだろう、と考えてみることも大切かもしれませんね。そんなことを
気がつかせてくれたドキュメンタリーでした。
(H.K記)
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全国で19番目 (2010.03.24.)
平成22年4月1日より『相模原市』が政令指定都市に移行します。
1956年に初の政令指定都市が発足し、54年の月日が流れました。
※初の政令指定都市:京都市・大阪市・横浜市・神戸市・名古屋市
神奈川県内では、横浜市・川崎市に次いで3番目の移行です。
相模原市は3つに区割りされます。 【緑区】 【中央区】 【南区】 です。
薬学部が所在する地区は、景観にふさわしく【緑区】となりました。
政令指定都市のメリットとはいったいなんでしょう??
相模原市のHPによりますと、「県からの事務移譲や区制の施行、新たな財源等により、
現在よりもさらに高度で専門的な行政サービスが行えるようになる」ということです。
よりよいサービスを受けることができるのは、市民にとってとてもいいことですね。
この移行に伴い、大学の郵便番号と住所表記が変更します。
229-0195 神奈川県相模原市相模湖町寸沢嵐1091-1
↓
252-5195 神奈川県相模原市緑区寸沢嵐1091-1
文字数が少なくなり住所の記入が簡単になった!と思う一方で、
慣れ親しんできた住所が消えてしまうさみしさがあります・・・。
今後どのように相模原市が成長していくのか楽しみですね!
〜メモ〜
ある大手飲料メーカーでは、相模原市の政令指令都市を記念したロゴマーク入り
缶コーヒを市内の自動販売機やイベントで期間限定販売するそうです。
「記念に・・・」という方はぜひ入手してください。(期間:3月下旬〜10月末日まで)
相模原市HP(http://www.city.sagamihara.kanagawa.jp)
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梅の名所 (2010.03.09.)
そろそろ梅の花が満開になりそうですね。
今回は比較的近場の梅の名所をご紹介します。
まずは、高尾梅郷。
高尾梅郷は小仏川、旧甲州街道沿いにある4つの梅郷のことで、
約10,000本の梅の木があるそうです。
高尾駅から徒歩15分なので気軽に行くことができます。
ただ、花粉症の方は、お薬かマスクを用意して行かれたほうが無難かも。
昨年行った時は、私は結構症状がでました。
次に、吉野梅郷。
東京都青梅市にある梅郷です。
昨年の日経新聞の『おすすめ梅の名所ランキング』で全国で1位に選ばれたそうです。
紅梅・白梅合わせて25,000本だそうで、かなり見ごたえがあります。
何度か行ったことがありますが、「青梅市梅の公園」という公園が特に見事です。
また、公園に行く途中でも沢山の梅の花が咲いていて楽しめます。
あとは、湯河原梅林はどうでしょう。
こちらは自分は行ったことはないのですが、4,000本の紅梅・白梅があり、
「梅の宴」開催期間中は梅林のライトアップなどもしているようです。
温泉もありますし、一度行ってみたいと思っています。
どの梅林も3月中旬にイベントを行っているようです。
興味がありましら如何でしょうか。
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