● 2003年の こみみ ●
除夜の鐘 (2003.12.24) by U先生
おもしろかったぁ!の本 (2003.12.10.)
マメでしつこい (2003.11.26)
ワタシはスタコ その3 (2003.11.12) by T先生
図書館での勉強はお断り?? (2003.10.31)
秋の鳴く虫を楽しむ (2003.10.10) by U先生
怖かった捕り物劇 (2003.09.18)
新着図書コーナーを変えました。 (2003.08.27)
手ぬぐいで節電を??(2003.07.23.)
ワタシはスタコ その2 (2003.07.09) by T先生
マーケティング調査にご協力を? (2003.06.25)
げに恐ろしや (2003.06.03)
バーコードあれこれ (2003.05.16)
生活の知恵の本 (2003.04.24)
「やらなければ、できない」 (2003.4.9.)
和雑誌に新顔がお目見えです (2003.3.28)
ワタシはスタコ (2003.3.11) by T先生
図書館ホームページをご活用ください (2003.1.24)
学術雑誌はときどき面白い (2003.1.8)
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除夜の鐘 (2003.12.24) by U先生
前回よりメンバーとして加えていただき,「虫の音」という話題で書きましたが,
今回も「音」に関するこみみです.
今年も残りわずかとなり,学生のみなさんは楽しい冬休みに入りました.
もちろん,休み明けには後期試験やら,4年生においては卒業試験と,
決して完全にお休みではなく,「楽しい」かどうかは難しいところですね.
さて,大晦日といえば,年越し蕎麦,紅白歌合戦,そして除夜の鐘ですね.
どれも日本の風物詩です.ただ実際に「除夜の鐘」を撞いたことがある
人は少ないかと思います.けれど,お寺によっては一般の人にも撞くことを
解放しているところがあるので,興味がある人は,ホームページなどで検索
して,是非チャレンジしてみてください.
筆者はこの「除夜の鐘を撞く」のが大好きです.中でも一番は,世界遺産
である東大寺の鐘です.修学旅行で奈良を訪れ,見たことがある方も多い
と思います.この鐘は別名「奈良太郎」と呼ばれ,高さ約4m、直径約3m,
重量26tもあり,撞木も重さ180kgとビッグサイズです.奈良太郎は,
普段は一般の人が撞くことはできないのですが,大晦日の夜だけ撞くことが
できます.
午後11時頃から鐘を撞く整理券が配られます.ご存じのように除夜の鐘は
「108つ」と決まっていますので,先着108名,とかなりの競争となると思いきや,
鐘があまりにも大きいので,撞木には8本の縄が着いており,1回に8人で
撞くようになってます.ですから約800名が突けるので,10時頃から並べば,
まず撞けないことはないです.
しかし2時間以上,寒空で待つのはかなり大変です.でも待っている間,
この1年にあったいろんなことを思い出したり,ラジオで紅白を聴きながら,
なんていうのが,年の瀬,大晦日の雰囲気を盛り上げてくれます.
寒空の中,ようやく鐘の順番が回ってきました.普通の鐘は「撞木で撞く」と
いう感じですが,奈良太郎の撞木はあまりにも大きく重いので,「撞く」のでは
なく,撞木に繋がる縄を引き寄せ,そこで手を放し,振り子のように自然と
鐘に当てるようにします.
この奈良太郎の鐘の音ですが,さすがにこの大きさだけあって,腹の底から
響くような低音で,余韻が長く,体の中にその鐘の音が染み渡るといった
印象を受けます.
ところで除夜の鐘の「108つ」の数のいわれですが,人にある「煩悩」の数と
言われています.煩悩とは仏教用語で,欲望、怒り、愚痴など迷いや苦しみの
原因となる心のあり方をいいます.
これらが無くなれば,人は心穏やかに,そして人と人の諍いもなく,平和に
生きていけるのでしょう.しかし,煩悩の全くない人間なんて人間らしくはない
ですね.「煩悩が消えない」という葛藤の中に,人間の愚かさや,弱さ,
逆に優しさや愛おしさが生まれるのではないかと思います.
今年は戦争やテロで,暗いニュースが多い1年でしたが,今一度,「煩悩を
無くす」とまではいかないにしても,「煩悩を考え直す」という気持ちで除夜の
鐘を聞いてみたいものです.
ちなみに,筆者の実家は平城京の中にあり,まわりに多くの寺(大安寺,
唐招提寺,薬師寺,帯解寺など)があり,大晦日はあちこちから除夜の鐘が
聞こえてきます.おそらく総計4-500は...
煩悩の多い筆者にはまだこれでも足りないようです.
それでは良いお年を.
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おもしろかったぁ!の本(2003.12.10.)
最近読んでおもしろかった本です。ぜひご紹介したいと思いまして・・・。
3冊だけなのにちょっと長くなりましたが、ぜひおつきあいください。
「文学刑事サーズデイ・ネクスト 1 ジェインエアを探せ!」
ジャスパー・フォード著 ソニー・マガジンズ 2003
文学刑事って文学好きの刑事さんかなと思って手にとったのですが、
警察とは違う架空の組織で特殊な事件を扱う特別捜査機関の一部局、
文学刑事局の刑事さんという意味でした。
クリミア戦争が今も続いている(131年目!)架空のイギリスが舞台です。
他の特別捜査機関には、時間安定局や吸血鬼・狼人間処分局などが
あり、SFの要素もはいっていて、ファンタジーっぽい部分もあって、の
欲張りな作品です。
その上、間違った(?)歴史の話がこの世界の現実のこととして語られて
いたり、「ハムレット」や「不思議の国のアリス」など英文学がいくつも登場
するなど、違った意味でも楽しめる作品です。
風邪をひいていたのに、寝ないで遅くまで読みつづけてしまうほど、
おもしろい作品でした。
グリフィンの年
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著 東京創元社(創元推理文庫) 2003
「ダークホルムの闇の君」の続編です。この作者は宮崎駿さんが映画化
している「ハウルの動く城」の原作「魔法使いハウルと火の悪魔」を書いた
方です。
「ハウル」は子ども向きというように思われるかもしれませんが(私は大好き
ですが)、「ダークホルム」シリーズの2冊は「ハウル」よりも上の年齢層の方
でも楽しめます。
「グリフィンの年」についてお話するには、「ダークホルム〜」についてお話を
しないといけないのですが、この2冊に関しては、とにかく読んでください!と
言いたいです。
タイトルから思い浮かぶイメージとは違う、とだけ言っておきましょう。
D.W.ジョーンズさんの描く世界は、子どもでなくなった読者にも、うれしい驚きを
与えてくれます。トールキンに師事、という経歴を知らなくても、こういう世界が
あったか!とため息をついてしまうような作品ばかりです。
ダークホルムの闇の君
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著 東京創元社(創元推理文庫) 2002
水滸伝1〜11(以下続刊)
北方謙三著 集英社 2000〜2003
「小説すばる」に連載中の、一言でいうと水滸伝を北方流に解釈して書き換えた
ものです。現在11巻まででています。
世の中では水滸伝よりも三国志ファンが多く、水滸伝と言えばRPGの方が
有名だったりしますね。私は水滸伝が大好きで、北方さんの本が出た時には、
正直に言ってあまりいい気分ではなく、「ファンとしての義務!」で読んだのです
がすっかり心酔してしまいました。
ぜひ!お薦めします。内藤陳さんの「読まずに死ねるか!」(実はまだ読んだこと
がないのですが)という表現をお借りしたいシリーズです。
たまたま3冊とも違ったジャンルになりましたが、「読まずに死ねるか!」な本は
まだたくさんありますので、次の機会を待ってぜひご紹介したいと思っています。
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マメでしつこい (2003.11.26)
最近、ある検定試験の準1級に合格しました。下の方の級は小学生でも
受験するくらいメジャーなのに、級が上がるとやたらマニアックになって
くる検定です。
3級から受験を始め、準2級までは比較的すんなりクリア。問題集を見て
一瞬ひるんだ2級も、なんとかクリア。
そして次のステップ、準1級ですが、これは問題集を見て愕然。 …え?
これって日本語?? 冗談抜きで、解答の予測もつかない。
それでもちょっとハマってしまうのが、私の「プチ・おたく」なところで、
取りあえず勉強を始めてみました。
しかし、これがなかなか捗らず。
基本的に飽きっぽいので、長時間集中して勉強できないのです。もちろん
昼間は仕事もありますし。(言い訳?)
なので、自宅での勉強のほか、外出する時は必ず問題集を持ち歩き、
ちょっとした時間に開いてみる、という方法をとってみました。
1回目の試験は案の定、半分しか点が取れず不合格でした。わかっては
いてもショックなもの。
そしてまたチャレンジ。努力はそれなりに目に見えるものです。回を重ねる
毎に着実に得点が伸びていきました。
それでも、合格ライン=8割の壁はなかなか越えられず、4回目の受験で
ようやくクリア。気がつけば2年越しとなっていたのでした。
話は変わりますが、先日テレビ番組で、女優の三浦りさ子さん(旧姓・設楽
りさ子さん。「カズ」こと三浦知良氏夫人)が、だんなさまとのナレソメに
ついて話していました。
初めは知良氏がりさ子さんを一方的に気に入り、猛烈なアプローチが
あっそうです。でも、「途中で別れたり、とにかくいろいろあったんですよ」
だそう。そして、
「決め手はなんだったんですか?」との問いに、りさ子夫人、
「とにかくマメでしつこかったので…」
「マメでしつこい」 うーん。ちょっと名言だなあと思いました。
もちろん、好きな人を口説く場合に限ったことではありません。どんな
ケースにおいても、目標を達成するための極意はこれだ!と、しみじみ
感じてしまったのです。
目標によってはただしつこいだけじゃなく、いろいろな工夫やアイディアが
介在しないと難しいとは思うけれど。
私の検定試験の次のステップは、1級。過去問を見たらめまいがしましたが、
またマメにしつこく、のんびりがんばろうかな。
とは言うものの、飽きっぽいのでどうなることやら。
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ワタシはスタコ その3 (2003.11.12) by T先生
気がつけば11月である。ここのところカメオの動きがさらに鈍ってきた。
やはり、そろそろ冬眠に入りたいのであろう。そのまま永久冬眠にならない
ようになんとかしてやらねばなるまい、と案じていたある日曜日、センセイが
東京に出かけてヒーターを買ってきた。最近は亀も贅沢になったらしく、
亀専用と書いてあるサーモスタット付きのしろものだ。
ワタシのご先祖様も砂漠の出身のはずなので、本来ならワタシにだって
冬はヒーターが用意されてもおかしくないのに、世の中は全く不公平に
できている。こんな立派なヒーターは亀専用なのだそうだ。
不満げにしっぽを立てていたら、センセイは「カメオのヒーターを買うため
だけに東京に行ってきたんじゃないんですよ。本当の目的はコレだったん
ですよ。」と言って袋をとりだした。
もしや、ワタシのお気に入りの神田精養軒の五穀クッキーか?と期待した
のもつかの間、中から出てきたのはDVD ソフトであった。「ハーヴェイ」という
タイトルだ。
センセイは以前から「ハーヴェイ」を探していたが、ついに見つけたらしい。
でも、IT後進国のセンセイの家ではDVD なんてみることができない。
「またまた衝動買いですかあ?」とぼやいたら、「違いますよ。クリスマスイブに
みんなでみるんですよ。」と夢見心地なお返事。
なんと、今年も『寂しい人のクリスマス』をするんだそうである。昨年も24日の
午後に特大を借り切って「カサブランカ」を上映したが、集まったのは研究室の
関係者だけだったそうである。「世の中の人はクリスマスイブにそんなに寂しく
ないってことだよね。だから、たくさんの人が来ないってことはイイコトだよね。」と
センセイは自嘲気味に語ってくれた。
「24日に誰とも約束がないなんて、そんな寂しいことは嫌だよね。だから、
せめてそんな寂しい人だけで集まって映画でもみて、心があったまってもいいん
じゃないかなあ?今年もめげずにポスターつくって宣伝しますよ。」
全く懲りてないセンセイである。今年は、とびっきりお気に入りの「ハーヴェイ」を
スクリーンに映してクリスマスイブを迎えるんだそうだ。
どうせまた今年も学生はきてくれないであろう。世の中、こんなセンセイに
つきあってくれるヒトは多くはない。しょっちゅうこんなことに巻き込まれて、
いい加減諦めの境地になってくれている研究室の関係者が集まるのが
関の山であろう。
「ハーヴェイ」についてはかなり思い入れがあるようで、センセイはしつこい
くらいにハーヴェイがプーカだとかなんとか、訳のわからないことをしゃべり
続けている。
ワタシとしては、冬を迎える前にもう少し噛みごたえのある単行本をたくさん
用意してもらえればそれでいいのだが、最近は文庫本ばかりが山積みで、
前歯が伸びてしかたない。早くセンセイが「ウエクスラー家の選択」を読み終えて、
神田精養軒の五穀クッキーも添えて床におろしてくれないものだろうか。
とにかく、クリスマスまではこの「ハーヴェイ」熱が続きそうで、ワタシとしても
そろそろプーカとやらに会ってみたいものだと思い始めている。どうやら
「ハーヴェイ」は伝染するようだ。
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図書館での勉強はお断り?? (2003.10.31)
あるラジオ番組で、面白いコーナーを見つけました。
毎日日替わりでテーマを設け、放送の中でリスナーやコメンテーターが
議論をするというものです。2003年8月4日のテーマはこれでした。
「図書館の席は本を読むため?勉強するため?」
『公共図書館で最近増えている「教科書などを持ち込んでの勉強はお断り」
という方針に、あなたは賛成ですか?反対ですか?』
番組に寄せられた意見では、賛成・反対がほぼ同数だったようです。
(詳細は番組のHPで見られます。興味のある方はどうぞ。)
http://www.tbs.co.jp/ac/bt/20030804c.html
ある新聞に載った高校生の投書が発端というこのテーマ、
中・高・大学生の間では「なぜいけないの?」「図書館の資料を使う勉強と、
使わない勉強をどうして区別するの?」「ダメというなら持ち込み勉強用の
場所を別に作ってほしい」などの意見が多く見られます。
反対に学生以外の社会人利用者からは「遠慮して欲しい」という意見が
目立ちます。番組側がインタビューした図書館側も、「5、6年前、一般の
利用者から急に「座るところがない。何とかして」との苦情が増えた」とのこと。
これらの声におされて「持ち込み勉強お断り」になった公共図書館が多い
ようです。
自分の学生時代、夏休みには涼しくて静かだからと、受験勉強をしに行った
ことがあったなあ、飽きてくると気分転換に棚のあいだをウロウロしたりして...
などということが思い出されます。当時は特に「持ち込み勉強はダメ」といわ
れたこともなかったし、そんなことを言われるとは思ってもいませんでした。
この番組のホームページでもこのテーマの背景解説がありますが、
「学校の生徒たちのマナーの悪さを指摘する意見が多い」のは確かな
ようです。集団での大きな話し声や携帯電話の使用、荷物での場所取り...
など。
学生に限ったことではないのでしょうが、夏休みなどで利用する人数が
増えるとなおさら目立ってしまうのでしょう。これらのマナーを守って使用
できてさえいれば、「利用お断り」になるほどの反発は起こらなかったのでは、
と感じます。
また、「学生は、それぞれの学校に図書館があるのだからそちらを優先して
使って欲しい」という意見も多いようです。このあたり、大学図書館の職員と
しては肯定半分、迷い半分といったところです。勉強するための環境を整えて
提供しているのですから大いに使って欲しいところですが、実際には学生全員の
勉強スペースを確保できるわけはなく、試験前は大混雑、ということもあります。
また、資料の面でもいわゆる娯楽的なもの(小説や実用書など)にはなかなか
手がまわらず、そういった部分は公共図書館にお願いしたい、というのが本音でも
あります。
中学・高校・大学などの図書館と公共図書館とが役割分担をしつつ、上手に連携
をとっていくことが大切ではないかと感じています。みなさんはこの問題について
どうお考えでしょうか?
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秋の鳴く虫を楽しむ (2003.10.10) 新メンバー!! U先生の こみみ です
秋も深まり,鳴く虫の音が楽しい時季となりました.
秋の鳴く虫を楽しむ風習は古く,『万葉集』『源氏物語』などの古典にも
数多く登場しています.鳴く虫をかごに入れて声を楽しむ風流も,すでに
平安時代の貴族の間で流行し,やがてそれは一般大衆にも普及して
行きました.さらに江戸時代の中期になると,"虫売り"が商売として成立し,
特にスズムシなどは飼育技術が高度に発達しました.
しかし,こうした虫の声を楽しむ習俗を持つ人種は世界でもほとんど日本人と
中国人だけのようです.
筆者は昔,タイからの留学生と一緒に仕事をしているとき「虫の音が良いね」と
言うと,「どこが良いんですか?うるさいだけですよ」と言われ,びっくりした
ことがあります.
日本のある脳生理学者の研究によると,日本人の場合は虫の声を,音楽と
同様に左脳で聞いているのに対し,欧米人は雑音を聞くのと同様に右脳で
聞いているのだそうです.外国にもたくさんの鳴く虫がいるのですが,
このため欧米人はその声にまったく関心を示しません.
では,ここ寸沢嵐近辺で聴くことができる虫の紹介をしましょう.
エンマコオロギ・・・「コロコロリー」と鳴く大型のコオロギで,一番身近な
コオロギです.姿は勇ましく,また鳴き声も美しくと,「キングofコオロギ」の
名を欲しいままにしています.
ツヅレサセコオロギ・・・「リーリーリー」という鳴き声を昔の人が「針刺せ,
糸刺せ,綴れ刺せ」と聞いたということから付けられています.
ツヅレというのは破れた衣のことです.ツヅレサセというのは,「もうすぐ
寒さが来るぞ,衣を綴って冬支度しなさい」とコオロギたちが言っていると
いうことなのです.
カネタタキ・・・「チン・チン・チン」と鳴きます.鳴き声が仏具の鉦(かね)を
たたく音に似ていることからこのような名前になりました.低い樹木の上を
生活の場にしています.小さく(10-14mm),動きが素速く,また鳴き声も
小さいので,この虫の存在に気付く人は少ないですが,かなり身近に居ます.
アオマツムシ・・・「リューリューリュー」と樹上からうるさいぐらい集団で
鳴いています.原産は中国で,20年ほどから爆発的に増加しています.姿は
美しいものの,声は非常に大きく,情緒のかけらも感じられない,というのが
正直なところです.
他のコオロギの繊細な調べもこの声にかき消されてしまうので,秋の虫の声を
楽しむにはアオマツムシが鳴き止む夜遅くまで,あるいは秋が深まるまで
待たなければなりません.
カンタン・・・「ルルルル・・・・」と単調な鳴き声ですが,鳴く虫にしては
低音で,どこか寂しげな鳴き声が,秋の哀愁を誘います.「鳴く虫の女王」と
言われています(鳴くのはもちろんメスでなくオスです.他の鳴く虫も同じ).
とくに晩秋になると,鳴くリズムがスローになり,またより低音になるため,
一層,哀愁感が漂ってきます.筆者の一番好きな虫の音です.
秋の夜長,是非,鳴く虫の音に耳を傾けてください.まさしく「こみみ」な
ネタでした.
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怖かった捕り物劇 (2003.09.18)
不完全燃焼ぎみの冷たい夏が過ぎ、どこでずれたのか暑い秋が訪れた。
何かおかしい。
阪神が優勝を決めた。これも不思議?(Gファンのやっかみと言われそうだが?)
関西方面は益々アツクなり、火照った体と溜まったストレスを、あの澱んだ川に
投げ出す人が、後を絶たないようである。
無謀である。あまりに汚いし、危険過ぎる。
地理に疎い私でもよく耳にする道頓堀だが、開削者の安井道頓から
取ったのが名前の由来だそうである。
さて、シーズンは終ったに等しい私だが、最近怖い思いをした。
野球とは関係ない。思い出すのも恐ろしいが、むかでである。
蒸し暑い夜だった。おまけに家には私しかいなかった。
異様な感触に目を覚まし、洗面所に向かい手で振り払うとむかでである。
今思い出しても鳥肌が立ってくる。
「ひゃっー、ギャー、ヒェー」
静まりかえった深夜、どんな悲鳴をあげたのか定かでない。
昼間のように助けを求めることもできず、新聞まるめてバンバン、
ハイター、殺虫剤を振りかざしての大捕り物を一人演じた。
何分が経ったのだろうか?
薬学を勉強している方には、私の行為の方がより恐ろしく感じられるかも知れない。
廊下のハイターの水溜りに敵は横たわっていた。
紙を重ねに重ねて、ビクビクしながら始末した。
しばし放心状態だったが、気を取りなおしてシャワーし、着替えて休んだ。
しかし、恐ろしいことは終らなかった。
何日か後、思いもよらない話を耳にした。
なんと、我が家に泥棒が入り、大金を盗まれたが通報はしなかったと、
そんな話が一人歩きをしていた。????
縁のない大金。通報しないとは危ないお金ということか???
それともできない理由が・・・???
笑える話だが笑ってばかりもおれまい。
火のないところに煙はたたない。ならば、火元は何だ?
人のうわさも・・・いや、七十五日もほっとけまい。
と、亡くなったおばあちゃんの声が・・・
例の如く、悲鳴を上げた私に
「どうしたの?むし?」とおばあちゃん。
「まるで100万円も盗られたような声を出して・・・」と続ける。
そうだったのか!
3回悲鳴をあげたとしたら、300万と思われたかも知れない?
おばあちゃんの言うとおりだった。
大いなる誤解を生むことになる。狼少年のようになってしまう。
人の口に戸はたてられないのです。
むかでも恐いし、誤解も怖い。
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新着図書コーナーを変えました。 (2003.08.27)
既にお気づきの方もいらっしゃると思いますが
2階の中央階段前にある新着図書コーナーを変えました。
いままではガラスの扉がある本棚に新着図書が入っていて
背表紙しか見れなかったため、あまり興味を惹かれなかったり、
気軽に手に取れなかったかもしれません。
今回の変更で、利用者の皆さんが気軽に手に取れるよう
ブックトラックに新着図書を置くようになりました。担当者
お薦めの図書は、表紙が見れるような展示もしてありますので、
ぜひ手に取って見てくださいね。
なお、新着図書は、図書館に受入されてから1週間たてば
借りる事ができます。いつから借りることが出来るか
確認したい時は、裏表紙を開いて返却期限を見てください。
赤で返却期限日が押してありますが、その日が過ぎれば
借りる事ができますので、どんどん利用してくださいね。
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手ぬぐいで節電を??(2003.07.23.)
なかなか梅雨もあけず、本格的な夏がいつになったらくるの
やら。せめて気分だけでも「夏」といきたいもので、梅雨があけ
なくても7月がくれば、お祭りです。地元のあちこちの神社で夏
祭がひらかれています。帰り道商店街を抜けていくと、薄闇に
並ぶ提灯行列が別世界へと誘います。そしてかすかに聞こえる
お囃子の音。お囃子の音を聞くと血が騒ぎますね(騒がない?
そんな!)。お神輿を担がなくても、お囃子が聞こえなくても、豆
絞りの手ぬぐい1本で気分はお祭りです。
お祭りはともかく、夏が近づくと巷ではいろいろな手ぬぐいが扇
子などと一緒に店頭に並びます。今年は特に節電に努める必要
があるようです。団扇や手ぬぐいで気分を涼しくして節電に励み
ましょう。
ところで手ぬぐいのよさは、薄くて使いやすいことや、いろいろな
柄が楽しめることなど、いろいろ考えられますが、なんといっても
「粋」な気分になれることではないでしょうか。
最近は手ぬぐいの人気もあがり、いろいろな柄が登場しています。
そら豆、栗、スイカ、猫の手・・・。赤い豆絞りなんかすごくかわいい!
粋な手ぬぐいがお好みの場合は、「かまわぬ」なんかもいいでしょう。
でも、実用品から趣味ものもになってしまった手ぬぐいはお値段
がちょっと高いです。柄の凝った美しいものを額にいれて飾るのも
よいですが、やっぱり使ってこそ、の手ぬぐいです。お求めやすい
お値段ものをいくつも買って使い込みましょう。使い込んだ手ぬぐい
のやわらかい手触りもいいものです。
手ぬぐいは気分の演出だけでなく、本当はなかなかの優れものなん
です。手ぬぐいをおおいに活用してこの夏は節電に励みましょう。
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ワタシはスタコ その2 (2003.07.09)
今回からローテーションの正式メンバーになってくださいました。
T先生のこみみです。
この前の満月の夜のことである。我が家に亀がやってきた。
どうやら、センセイはまた病気を発症したらしい。どうしてこんなに
衝動的なのか、我が飼い主ながら愛想が尽きる。短いしっぽを
思いっきりふりふり振り向けば、申し訳なさそうな顔のセンセイが
いた。
「すみませんねえ。ペットショップで大きな亀の下で踏みつけられて
いたのがどうしても見過ごせなくてね。ほら、なんだか人の良さそうな
顔してる亀さんでしょう?仲良くしてやってくださいよ。」
確かにセンセイは人を見る目はないようだが、亀を見る目はあった
ようである。奴はもともと亀のせいか、動きも鈍く、感情というものも
欠落気味かもしれない。しかし、それなりに話のわかるやつだという
ことが最近わかってきた。
ペットショップが本屋のとなりにあったせいか、本の好みもしゃれている
ようで、センセイとは村上春樹の話に終始している。「キャッチャー・
イン・ザ・ライ」が図書館に入った日などは、奴も嬉しそうに水面まで
首を伸ばして話しかけてきた。ワタシは村上春樹なんぞはイマイチで
あるので、相変わらずキングの「ドリームキャッチャー」をかじりながら、
奴の話の聞き役になった。
「村上春樹の本は図書館にたくさんあるんですか?」と奴は訊く。
「アンダーグラウンドあたりはいかにも薬学部っぽくて入っているかも
しれないねえ。さすがに村上朝日堂は入れてないだろうけど。」(※)
「薬学部らしい本ってのも不思議なくくり方ですね。良い本は入れれば
いいんじゃないですか?」
なるほど、正論ではある。そんなに簡単にハナシが決れば図書委員の
センセイももっと気楽にセンセイの好きな本を提案できるだろうになあ、
とワタシはため息をつく。当のセンセイは相変わらずディックの文庫本
に没頭していて我関せずといった体である。亀公ものんきなもので
「じゃ、また。」と言って水底に沈んでいった。
それにしても亀を飼うとは、後先の考えのないセンセイのやらかしそうな
ことである。センセイは
「亀さんって亀は万年っていうくらいだから長生きだし、昼間も起きてて
くれるから、朝とか、いってらっしゃい、って言ってくれるでしょう。
スタさんなんて朝、起きてくれたことありますか?」などと偉そうにイヤミ
付きの解説をしてくれたが、大きな盲点があることに未だに気づいていない。
奴は変温動物だ。つまり、冬は冬眠するはずである。冬眠したがるはずの
奴をむりやり起こしておくというのだろうか?これでは動物虐待である。
しかも、かわいそうに、亀公の名前はワタシの恐れていたとおり、やっぱり
「カメオ」と決った。あまりに不憫でまだその事実を奴にいうことさえできない。
しかたない。そのうち、動物百科事典の亀の頁でも開いたままにして
おいて、のんきなセンセイに亀の冬眠方法を勉強させねばなるまい。
秋までになんとかしてやらねば、睡眠不足の亀の相手を冬中させられる
ことになる。全くもって、いい加減な飼い主を持つと苦労が絶えない。
ぼやかずにはいられないこの頃である。
(※図書館注)村上春樹の本は、図書館にはたくさんあります。
「キャッチャー・イン・ザ・ライ」 「アンダーグラウンド」のほか
「海辺のカフカ」 「ねじまき鳥クロニクル」
「ノルウェイの森」
「レキシントンの幽霊」 「村上春樹全作品1979〜1989」(全8巻) など
「村上朝日堂」 は残念ながらありませんが、「村上朝日堂はいかに
して鍛えられたか」 があります。
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マーケティング調査にご協力を? (2003.06.25)
図書館職員にはマーケティング力が必要だとよく言われます。
マーケティング。国語辞典によると、消費者の求めている商品・
サービスを調査し、供給する商品や販売活動の方法などを決定する
ことで、生産者から消費者への流通を円滑化する活動、とあります。
図書館に置き換えると、もちろん「消費者」でなく「利用者」になります。
利用者のニーズを調査し、サービスを決定し提供すること。それが
できる力。
まあ、広義に捕えれば、どんな仕事にも当てはまると思うけれど。
とは言うものの、これは結構ムズカシイ。
だから、お願いなのです。図書館にあるといいなあと思うもの、
できるといいなあということ、教えてください。
言ったもん勝ち!のところがありますので、すぐに実現可能かも
しれませんし、取りあえず無責任な発言でも構いませんので・・・。
館内の投函箱、ホームページの「購入リクエスト」「図書館に対する
希望・意見」などをご利用くださいね。
ところで、駅前でよくポケットティッシュを配っていますよね。
消費者金融やカラオケボックス、焼肉屋さんのものなどもあります。
あるときふと気付いたら、ある業界に限って、配っているものが
ポケットティッシュでなくなっていました。
あの、黒スーツの男の人達が配っている、「フロアレディー募集」と
いった類のもの。配っているのは、お化粧直しのときに使う、脂取り紙
です。
ティッシュならさっきもらったからもう要らないわ、というおねーさんも、
これだとついもらってしまう。
だからみんなが働きに行くかというのはまた別の話ですが、
取りあえずは、見る。
さすが! まさにマーケティング力です。
感心している場合ではない。少し見習わないといけないなあ、と
反省したのでした。
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げに恐ろしや (2003.06.03)
朝、洗濯をしようと容器を覗くと、なんとTシャツにむしがいた。
なんで平仮名かというと、生々しくて漢字なんぞは使えない。
本来は漢字二文字で、今やたらその辺をはいずっているあれである。
恐ろしい事に、漢字はそのまま本体を連想させる。・・・・・
ギャーと悲鳴をあげたが、誰も来ない。
狼少年よろしく、もはや私の悲鳴は驚くに値しないらしい。
命にかかわる事態が起きても、助けてもらえないかも、と少々不安でもある。
ウロウロと、むやみに部屋を回っていたがどうにもなるはずもない。
結局、近所に助けを求めた。
半ばあきれ、半ば同情をこめて彼女は来て、さっさと片付け、とっとと帰った。
「きれいに拭いておいたから、容器捨てちゃだめだよ。」の言葉を残して・・・
わかられたか----
残された洗濯物は見ないことにした。
「Tシャツ捨ててもいい?」と持ち主にメールした。「ダメ!」と返事が来た。
ならば、後の事は任せよう!
田舎で生まれ育ったのに、子供の頃からむしが苦手である。
殊に、敵が成長過程にあるこの時期が最も恐ろしい。
そういえば遠い昔?、これが大好きな姫君の話を習った。
教科書を伏せ、日光のお猿さん(軍団じゃありません)の態勢に習った。
そして最近、誰もが恐れるのは、新型肺炎SARSである。
中国では露天商が怪しい俄マスク売りに転身しているとも聞く。
感染源とも言われるジャコウネコ科のハクビシンだが、このあたりにもいる。
とうもろこしを上手に食べるそうだ。
私も見た。が、タヌキか猪かもしれない。(かつて道の真中に陣取るサルも見た。)
げに恐ろしや・・・
巷は恐いものがいっぱいである。
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バーコードあれこれ (2003.05.16)
図書館の本には、表紙にバーコードラベルが貼ってあることはご存知
と思います。
ABCは、貸出や返却のときこのバーコードを読みとって資料の情報を
処理しています。カウンターで職員が貸出・返却を行なうときも同じこと
をします。(ハンディスキャナでピッと読み取っていますよね)
さて、バーコードは黒く印刷されたバーの部分を読みとるものだと思っ
ている方はいませんか?
バーコードを読み取るスキャナは、バーコードに赤い光を照射して、そこ
から反射してくる光を読み取るしくみになっています。赤い光は黒いバー
の部分では吸収され、白い地の部分でのみ反射しますので、スキャナは
白い地の部分だけを読み取っていることになります。
図書館のバーコードはすべて白地に黒いバーが印刷されていますが、
実際には赤い光を吸収する部分と反射する部分があればいいのです
から、バーの部分は青や緑などでも良いし、下地の色も薄い色であれば
白でなくてもOKなのです。
このあたりの「バーコードのお話」については、次のサイトをご覧になると
面白いです。
(株)日本バーコード のサイト
(http://www.n-barcode.com/index-jp.html)
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生活の知恵の本 (2003.04.24)
4月も下旬となり、新入生の皆さんもそろそろ新しい生活に
慣れてきた頃と思います。 しかし、親元を離れ、一人暮らしを
始めている学生さんは、掃除・洗濯・炊事とまだまだ戸惑うことも
多いのでは。 そこで、今回は生活の知恵の本をご紹介します。
きほんのき : プロが教える暮らしの知恵
朝日新聞学芸部著 朝日新聞社 1999.11
請求記号:590/KI/1
がんばれ自炊くん!
ほぼ日刊イトイ新聞編 角川書店 2001.9
請求記号:596/GA
科学的に正しい料理のコツ : 「なぜ?」がわかれば、作る楽しみも
おいしさも100倍!
左巻健男,稲山ますみ編著 日本実業出版社 2001.12
請求記号:596/SA
快適ひとり暮らし : イキイキ生活早わかり読本
: テキトーに
しっかり暮らす術
池田書店 2001.2
請求記号:590/KA
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「やらなければ、できない」 (2003.4.9.)
毎年春になると、「4月から何か始めよう!」という気分に
なります。新聞の紙面が一新されたり、テレビやラジオの語
学番組も4月開講がほとんどです。世間的にも何かを始めた
くなる時期なんだなーと思います。
何かを始めることに時期なんて関係ありません。ほんとは
いつだっていいんですよね。でも、4月から!というと、なんと
なくやる気がでてくるから不思議です。
何かを始める、というと思い出す言葉があります。NHKの
「プロジェクトX」で紹介された方の一言です。年々忘却力が
ついてきている私ですが、この言葉は忘れられません。
「やれば、できる。やらなければ、できない」
砂漠で植林をされている方の一言ですが、強く印象に残って
いるのは、後半部分です。やってもできないこともあるでしょう。
でも、そもそもやり始めなければ、何もできない。あたりまえの
ようですが、とても含蓄のある言葉だと思いませんか?
何かを始めようと思ったとき、挫折しそうなとき、この一言を
思い出してくださいね。
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和雑誌に新顔がお目見えです (2003.3.28)
2階の雑誌に新しい雑誌が増えたことにお気づきでしょうか?
といっても、新たに購入をはじめたわけではありません。これ
まで図書館の事務室の中に置いていた雑誌を、2003年から
移動したものです。次の4タイトルになります。
* 医学図書館 (日本医学図書館協会)
* 薬学図書館 (日本薬学図書館協議会)
* 情報管理 (科学技術振興事業団)
* 情報の科学と技術 (情報科学技術協会)
図書館関係の雑誌には、医薬系のデータベースの使い方や
用語の解説が載っていたりします。図書館職員向けに書かれて
いるので、学生の方にもわかりやすいのではないでしょうか。
また、情報関連の雑誌には、インターネットサービスや
電子ジャーナルの話題が盛りだくさんです。ぜひ一度ご覧ください。
なお、3階の一般雑誌は見直しを行い、2003年から新規購入をはじ
めたものがあります。AERA(朝日新聞社)、サンデー毎日(毎日
新聞社)などの週刊誌のほか、情報誌やビギナー向けのパソコン雑誌
が入っています。こちらもどうぞご利用ください。
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ワタシはスタコ (2003.3.11) スペシャル・ゲスト T先生の こみみ です
ワタシはスタコである。正確にはハム・スタコだそうである。これは
ワタシの飼い主であるセンセイがつけた名前であるが、ゴールデン
ハムスターの名前としては、いくらなんでも陳腐である。初めてこの
名前で呼ばれたときは、ショックでワタシの短いしっぽが天井を向いた
ほどである。しかし、センセイは「スタさん」とちゃんと「さん」付けして
呼んでくれるので、とりあえずは、この名前を甘受している。
センセイは、一つ前の春から図書委員になったそうだ。以来、センセイの
書店通いはさらに回数を増し、部屋のいたるところに点在している本の山が
さらにうず高くなって、夜中に散歩するワタシとしてはかなり恐い思いを
している。
昨日、センセイはとても嬉しそうだった。どうやら、意中の本を図書館に
入れてもらうことに成功したらしい。ワタシが思うに、センセイの意中の
本というのは、たいていの場合、薬学部の図書館に真っ先に入れるべき
とは思えないしろものである。今回は「ハリー・ポッター」の原書だそうだ。
なるほど、いかにもセンセイが好みそうな本である。英語で書かれた
原書を読むことを苦にしないセンセイにとっては相当好ましいもので
あろう。しかし、薬学部の学生にとってハリー・ポッターが何の役に立つの
であろうか?ワタシのいぶかしげな視線を察した先生は「ほら、うちの
学生さんたちって、英語、嫌いな人、多いじゃないですか。でも、ハリー・
ポッターだったら簡単な英語で書かれてるし、なにより、和訳があれだけ
売れてるし。映画も公開されたことだし。きっとハリー・ポッターをきっかけ
にして、英語が好きになると思いますよ。」まるで国会答弁のようである。
「ハリー・ポッター」が適当かどうか、ワタシとしては疑問であるが、
原書を読むことには賛同する。例えば、「マザーグース」がまっさきに挙げ
られる。確かに谷川先生の訳は素晴らしい。しかし、「マザーグース」の
本当のおもしろさは、音としてようやく伝わるものである。そのためには
原語で読まねばいけない。ハンプティ・ダンプティのおかしさを日本語で
理解することは、谷川先生という名人の手を借りてもやたらと難しいの
である。センセイもこの点はよくわかっているらしく、これまでにも
「大草原の小さな家」だとか、「ネバーエンディング・ストーリー」だとか、
(そういえば、これはドイツ語で、えらく苦労していた)読んでいた。
昨年は、大好きなスティーブン・キングを原書で読もうとしたことがある。
しかし、かわいそうに、センセイには現代アメリカ文化に対する理解がなく、
途中でペーパーバックを投げ出し、今では白石朗の訳本のみを文庫で
読み漁っている。全く、情けないセンセイである。
いずれにせよ、「ハリー・ポッター」が実際に学生さん達の好みにあうのか、
天のみぞ知る、である。ワタシとしては、センセイが「ハリー・ポッター」の
ペーパーバックなんぞに手を出すことなく、デスクの上の「半落ち」を
早く読み終えて床におろしてくれるのをひたすら待っている。なにしろ、
久しぶりのハードカバーである。ワタシの伸びかけた前歯で齧ったら
どんなにか気分がよいことであろう…。装丁のしっかりしたミステリ本ほど、
齧りがいのあるものはないのである。
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図書館ホームページをご活用ください (2003.1.24)
このコーナーができて、ちょうど2年が経とうとしています。
存在に気づいてくれてた人ってどれくらいいるのでしょう?
まず、図書館のホームページにアクセスした事ある人ってどの位?
ウーン、気になりますが、ぜひお役に立てるようにしていきたいものです。
ところで、相互貸借の申込をHPからできるようになったのはご存知ですか?
学部内の教職員と院生に限りますが、ぜひご利用ください。
思えば、ビデオの予約もおぼつかないのに、相貸システムを作りたい、
と思ったのが、私にとってAccessを始めるきっかけでした。
初めはクエリーにリレーション、プロシージャ、?何じゃそれ?
二言目には保存できない、参照整合性に反する、なぞとケチが入る。
何がいけないの?どうすれば、いいのっ!
でも、うまくいった時、思いました。これってゲームをクリアした時の感覚かも・・・
脳全体を一番に活性化するのは、本を音読することらしいんです。
マウスを握って固まっていると、これから遠ざかってしまいます。(やっぱり図書館は大事)
それでも、相貸も年々機能を増やして、それなりに自己満足していたのにまた、???
Accessのデータを、ボタン押すことで、メールに持っていくということなんですが・・・
いろいろ参考にして完璧うまくいきました、家のパソコンでは。( XP Access2000 OutLook)
でも、ここ(Windows98 Access2000 Netscape4.7)では宛先によりうまくいかない。
宛名は入るのに、件名と本文が途中までしか入らなかったりするんです。?
さらにわからないのは、同一環境でAccessにあるボタンを押した時です。
メーラーが起動して開きます。データもいくにはいってもです。
本文の改行ができている端末とできないものがあるんです。???なぜ?
どなたか、教えてくださるとうれしいです。
ところで、突然戻りますが、HPから相貸を申込む時、左側メニューをご活用ください。
まず、メニューの1番下、リンク集をクリックしてください。
1-B-1)
・PubMed::医学・生物学関係の論文を探すならこれ!
1-A-1)
・WebCat:欲しい論文の載っている資料を所蔵する大学(国内)を探せます。
・医中誌(Web版) ・電子ジャーナル閲覧 ・蔵書検索(OPAC検索)etc.
その他、資料を探すときに役に立つサイトへのリンクがいろいろ。
ぜひご活用ください。そして、忘れずにこみみもちょっと覗いてみてくださいね。
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学術雑誌はときどき面白い (2003.1.8)
新しい年になりました。今年、図書館ではこのホームページが少しでも
便利になるよう努力していくつもりですので、どうぞよろしくお願い
いたします。
実は年末、生ガキにあたり、苦しい思いをしました。そんな矢先、
図書館で購入している雑誌『日本醫事新報』に、「冬の食中毒」という
小特集が。なんてタイムリー!この時期カキの中毒は多いようですね。
また、年末年始も話題の人でしたね、ノーベル賞の小柴さん、田中さん。
おふたりが受賞された直後、『現代化学』『化学』『化学と工業』
『Newton』などの雑誌には、受賞した研究についての解説が載って
いました。
2階にある学術雑誌は一見難しそうなものばかりですが、科学に関する
最新の情報はやはり雑誌から。話題となっている情報を解説した記事
などもたくさんあります。
ところで、先述の『日本醫事新報』。この雑誌、タイトルは旧仮名遣い、
おまけにいかにもつまらなそうな表紙なんです。が、「質疑応答」という
ちょっと面白いコーナーがあります。医学関係の質問がメインですが、
なぜか医学とはまったく関係ない質問と回答も。「傷つきにくい床材は」
「関東と関西の境はどこか」「ネイルアートの描き方」などなど。
先日、形成外科のお医者さんとお話していたところ、
「医者向けの求人情報が載る雑誌があるんだけどね・・・」と言うので、
思わず「『日本醫事新報』とか、ですか?」と聞いたら、なんだか話が
盛り上がってしまいました。(「医事案内」という求人情報コーナーが
あるのです。)
先生いわく、この雑誌に載っている病院というわけではないけれど、
美容外科の中にはひどいところもあり、”未経験者歓迎”と言って求人し、
ろくに経験もないうちに手術をさせたりするとか。
流行の(?)プチ整形など考えている方、病院はしっかり調査して選び
ましょうね。話があらぬ方向にそれましたが・・・。
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