帝京大学薬学部 研究業績 | English
生体防御学研究室

研究室紹介
 血液の流出を防ぐために血液が凝固して止血することも生体防御機構の一つです。止血では血小板が主役を演じて血栓を作り、これに続いて血液凝固反応によるフィブリンが形成されて血栓は安定化します。また、血栓症は様々な理由で血流を障害するような病的な血栓が形成したときに発症します。近年の研究では、血栓の進展と拡大には、血小板活性化反応と血液凝固反応に加え、これまでの血栓形成機序では大きく取り上げられていなかった単球や好中球などが、積極的に血栓形成に関わることが明らかになってきました。
好中球は活性化すると、NETsと呼ばれるDNAやヒストン、プロテアーゼなどの様々な物質を含む網状の物質を放出し、これが感染防御だけでなく、血栓形成やがん転移・進展にも重要な働きをしていることが明らかになってきました。
 私たちの研究室では、好中球の活性化に由来する物質に関連した血液凝固異常やがん悪性化のメカニズムの解明研究を中心に、血液凝固とがんに注目したテーマで研究を行っています。

進行中のテーマ

1. 好中球が産生するプロテアーゼが引き起こす血液凝固異常に関する研究
2. がん転移やがん悪性化に関わる好中球因子の探索と機序解明に関する研究
3. がん化学療法薬が原因となる血栓症に関する研究
4. 血栓準備状態となる機序の解明とその鋭敏な検出法開発に関する研究
5. ロイシンリッチα2グリコプロテイン(LRG)の機能解明に関する研究
6. 薬物に関連した血液凝固の異常に関する研究
7. 血栓症を予防する食品機能成分の探索と新規機能性食品開発に関する研究

教職員
教授 大藏 直樹
講師 鎌田 理代
研究員・大学院生