帝京大学薬学部 研究業績 | English
病態生理学研究室

研究室紹介
  肥満症、糖尿病、脂質異常症を始めとしたメタボリックシンドロームは、全身に多様な症状を引き起こすことによって、生活の質を低下させます。メタボリックシンドロームは生活習慣の乱れが発症の要因となります。そこで私たちは、生活習慣の中でも食べ物、特に脂肪酸に注目し、メタボリックシンドロームの病態の発現や進展との関連を明らかにすることを目指しています。
 食べ物には多種多様な脂肪酸が含まれており、何を食べたのかによって摂取する脂肪酸の量や割合(脂肪酸バランス)が異なります。私たちは、このような脂肪酸バランスの変化が体の状態に与える影響を、脂肪細胞や血管内皮細胞などを用いて分子レベルで解明しています。また、肥満の原因を分子レベルで理解するため、間葉系幹細胞や前駆脂肪細胞が増殖し、さらに脂肪細胞に分化する機構を解明しています。さらに、食べ物の香りによって食欲が増すことを、医療分野に応用することを検討しています。このように、メタボリックシンドロームの病態の解明を目指すとともに、食べ物に着目したメタボリックシンドロームの予防効果について研究しています。すなわち、何を食べればよいのかを提言することを目指し、学内だけではなく、他大学や企業とも連携して研究を日々行っています。

テーマ
(1)細胞外の脂肪酸環境と細胞機能との関係の解明
(2)体の中の脂肪酸バランスの乱れを血液中の膜小胞(マイクロベシクル)でモニタリングする方法の開発
(3)細胞内脂肪滴の大きさに影響を与える食べ物由来成分の探索
(4)生活の質の向上を目指した食べものの香りの新たな利用法の開発
(5)肥満の進展における一次繊毛の役割の解明

教職員
教授 厚味 厳一
講師 斎藤 将樹
助教 石橋 賢一
研究員・大学院生
研究員 3名