帝京大学薬学部 研究業績 | English
分子薬剤学研究室

研究室紹介
 【学部教育】
医薬品が生体に適用される最終的な形態を剤形といい、同じ医薬品であっても、適用部位・方法、症状の違いにより、異なる剤形が存在します。我が国における医薬品に関する公定書である日本薬局方には、最も処方件数の高い錠剤をはじめとして約70の剤形が収載されており、実際に医療現場で使い分けられています。本研究室で担当する「製剤学」の授業では、これらの剤形を製造するのに用いられるさまざまな医薬品添加物の特徴、それぞれの剤形の製造工程及び製造機器に関する理解を深め、個々の剤形を設計するために必要な知識について解説します。また、最近では、口腔内崩壊錠などの高齢者に適した剤形が普及しており、製材技術の進歩に伴い登場した新製剤に関しても取り上げます。また、各剤形の品質評価について理解を深めるための実習を担当します。

【研究活動】
1. 細菌感染における細胞内脂質代謝の役割
ある種の細胞内寄生細菌は感染によって宿主細胞に潜伏し、宿主由来脂質を利用して生存を維持しています。そこで、細胞内寄生に寄与する脂質や代謝機構を解析することで感染から潜伏への関与を評価し、既知の脂質代謝改善薬の治療薬への応用を目指しています。

2. ヒト乳がん細胞の悪性度の亢進過程におけるメカニズムの解明
乳がんは、女性のがんの中でも罹患する人が多く、死亡原因の上位に位置するがんの一つです。乳がんの約8割はこの浸潤がんの状態で発見され、転移する可能性があり、悪性度が亢進することが知られています。当研究室では、ヒト乳がん細胞株を用いて悪性度に相関する遺伝子を探索することで、治療効果や病気の進行の指標としての応用を目指しています。

今後は、製剤学分野と融合できるような研究テーマにも挑戦していきたいと考えております。研究分野としては生物系に分類されるので、基本的には座学で学んだ分子生物学の知識を活用して研究を行ってもらい、国家試験分野として苦手意識を無くして欲しいと思っております。

教職員
講師 谷川 和也
研究員・大学院生