帝京大学薬学部は 35 年の歴史を持つ学部です。3年前に、神奈川県相模湖キャンパスから、医学部、薬学部、医療技術学部からなる総合医療系キャンパスの板橋キャンパスに移転してきました。薬学部では、30 年以上にわたり、社会活動のひとつとして「公開講座」を開講しています。今年度も「漢方と健康食品ー上手な使い方ー」のテーマで開講します。
  漢方、健康食品、ともに身近な言葉であり、ほとんどの方が漢方薬あるいはサプリメントを飲んだ経験があるのではないでしょうか。でも、これらはとりあえず飲めば良いというものではありません。漢方薬は、医師や薬剤師に相談し、自分の体質を考えて飲む必要があります。また健康食品は、適した製品を使わなければ却って健康被害が出ることがあります。
  今年の公開講座では「漢方と健康食品」の正しい使い方を学び、病の回復や健康の維持・増進 に役立てていただきたいと思います。はじめの 3 回は、生薬・漢方を専門とする大学教員と漢方専門薬剤師の先生が講演します。万葉集までさかのぼる薬草の話に始まり、近年様々な分野で利用が拡大し、がん医療の現場でも使われる漢方薬が、どのように使われ、どう付き合っていけば良いか、最新のデータとともに学びます。後半の 2 回は、健康食品（サプリメント）についての 話です。健康食品とは、そもそも何であり、本当に健康に役立つものなのか、またどのように使っていけば良いかを、大学で健康食品の講義を担当している教員が話します。本公開講座を通じて「漢方と健康食品」の上手な使い方を知っていただけますと幸いです。